【4911】夏ヤゴ 13 純米 生酛(なつやご)【神奈川県】

2022年09月21日
酒蛙酒蛙
神奈川県海老名市 泉橋酒造
神奈川県海老名市 泉橋酒造

【B居酒屋にて 全8回の⑤】

 B居酒屋で先だって、2カ月に1回の異業種間利き酒会「TU会」の例会が開かれた。そのときはメンバー全員が6種類の酒を飲んだが、冷蔵庫を見ると、わたくしが飲んだことのない酒がまだまだ並んでいた。それらを飲むべく、例会から3日後に再びB居酒屋の暖簾をくぐった。

「誉池月」「無想」「花垣」「京の春」と飲み進め、次にいただいたのは「夏ヤゴ 13 純米 生酛」だった。泉橋酒造のお酒は当連載でこれまで、16種類を取り上げており、うち3種類は夏ヤゴシリーズだ。夏ヤゴシリーズは、セメダイン香(酢酸エチル)が広がりドライで辛口の軽快感があるお酒(クラシックタイプのライトボディー)という印象を持っている。今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 おおおおっ! おもわず声に出た。クラシックタイプかとおもっていたら、なんとなんとモダンタイプではないか。わたくし、夏ヤゴシリーズというか泉橋酒造のお酒でモダンタイプを飲むのは初めてのような気がする。

 アンズをおもわせる含み香。やわらかな口当たり。味わいは、甘旨酸っぱくてジューシー。余韻もジューシー。これはびっくりだ。おもいっきりモダンタイプだ。酸がすごく出ていて、非常に良い。酸が、引き締まった味を演出している。軽快だが、味にふくらみもある。非常に飲みやすい。ラベルを見たら、アルコール分がワイン並みの13度。なるほど、飲みやすいのも道理だ。モダンタイプのライトボディー。

 蔵のホームページは、夏ヤゴシリーズを以下のように説明している。「夏ヤゴは2005年初リリースの商品で、トラディショナルな麹菌・酵母菌を使用した辛口純米酒です」

 また、蔵のホームページはこの酒の【味わいと楽しみ方】について、以下のように紹介している。

「岩清水や鉱物、そして、オリーブを想わせる穏やかな香りがベースにレモンや香草系のハーブ的な爽やかな香りがあります。このお酒の特徴は、比較的な楽に長く日本酒を楽しめるように、生酛造りの複雑な旨み・酸味を活かし、アルコール度数をやや低い13%に設定しています。これは、夏場田んぼに張られた水中で『ヤゴ』が13回ほど脱皮を繰り返してとんぼに羽化することに因んでもいます。その味わいは、サラリとした軽いタッチの口当たりに、滑らかな甘味と鮮やかな酸味がよいバランスで美味しく仕上がっています。
 夏の昼下がりに野外で冷やしてワイングラスで(ロゼワインを楽しむように)ゆっくりと楽しむのも一計です。もちろん、50度ぐらいに温めても優しい味わい旨みが広がります。合わせるお料理は、イタリアン系の洋食や白身の魚介類などと一緒にどうぞ。
「仄かにサクランボやハーブ類を思わせる香り。綺麗な口当たりで、低アルながらスッキリとした旨みと共にジューシーな酸味が楽しめます。ボリューム感もありつつ、夏酒らしいキリっと感もある逸品です!」

 瓶の裏ラベルは、蔵の酒造りのコンセプトを以下のように紹介している。

「いづみ橋では『酒造りは米作りから』のもと、日本酒は田んぼから生まれる農業副産物と考え、酒蔵の本来の姿として酒米作りから取り組んでいます。『赤トンボ』の子どもの『ヤゴ』は夏場の田んぼで育ちます。夏のヤゴが健康的にすくすくと育つことができる環境作りがよい酒米の栽培土壌となります。そんな良い環境で育てた酒米で今年も収穫、醸造へと頑張って参ります」

 裏ラベルのスペック表示は「2021BY、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、使用米 神奈川県産山田錦100%、精米歩合65%、アルコール分13度、製造年月2022.06」。

 酒名および蔵名に使われている「いづみ橋」(泉橋)の由来について、蔵のホームページは、以下のように説明している。

「1927年の航空写真を見ると、泉橋酒造北側の海老名耕地に泉川(いづみがわ)が流れています。この泉川は田んぼの用水路の役目を果たしていました。また、蔵の屋号が『橋場(はしば)』だったことから、泉川+橋場=泉橋となったのことです。水田の穀倉地帯からの命名だったことがわります。しかし泉川は、1930年から行われた土地改良事業でまっすぐな用水路に姿を変えてしまい、現在では泉川は存在していません」