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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4863】大号令 純米 槽搾り(だいごうれい)【広島県】

2022.8.6 15:22
広島県安芸郡熊野町 馬上酒造
広島県安芸郡熊野町 馬上酒造

【B居酒屋にて 全8回の①】

 1カ月に1回のペースで足を運んでいるB居酒屋。常時約200種類の酒を置いており、1カ月たてば、冷蔵庫のラインナップがけっこう更新されているので、「日本酒津々浦々」の取材に好都合。しかし店は、長引くコロナで大苦戦を長く強いられている。早く、以前のにぎわいを取り戻してもらいたい、と願ってやまない。

 今回トップバッターに選んだのは「大号令 純米 槽搾り」だった。馬上酒造は、わたくしにとって初蔵だ。これで、全国の酒蔵のうち、わたくしが飲んだことがある酒蔵は、1204蔵となった。

 創業1893(明治26)年創業の馬上酒造は、酒どころ広島県の中でも最小規模の酒蔵。このほど、新しい杜氏を迎えた。そのいきさつについて、ダイヤモンド・オンラインの「新日本酒紀行」は、以下のように伝えている。

「安芸津杜氏が腕を振るった馬上酒造場の酒は熊野町内で消費され、最盛期は900石を誇った。4代目の馬上日出男さんは、1983年に34歳で銀行を退職して蔵を継ぐが、生産量は減少し、95年、杜氏の逝去後は日出男さんが杜氏を兼務。妻と30石を造り続けた。
 2020年、70歳を過ぎて体力の不安とコロナ禍の影響もあり、蔵を閉じることを決意。そんなとき、『酒造りがしたい』と現れたのが、広島市出身で36歳の村上和哉さんだ。
 竹原市の竹鶴酒造で10年、滋賀県湖南市の北島酒造で4年修業した一途な努力家。一度は将来を案じて断るが、諦めない和哉さんの熱意にほだされ、杜氏として受け入れた」

 さて、興味津々でいただいてみる。

 酒蛙「含み香は、アンズのニュアンス。淡麗、軽快な口当たり。酸がかなり出ており、甘酸っぱい味わい」
 仲居さん「すっきり。美味しいじゃん、これ。舌に刺激があるのがいい」
 酒蛙「これはいい。旨みは適度かやや少なめ。中盤から辛みが出てくる。余韻は軽い苦みと辛み。酸がいい感じで出ているので、すっきり飲み飽きしない、敷居の高くない酒に感じる。普段着の味わいがいいね」

 新しい杜氏の36歳村上和哉さん、なかなかの実力者と感じた。

 瓶のラベルは、この酒を以下のように紹介している。「広島県産の酒造好適米『八反錦』を使用し協会9号酵母で丁寧に仕込みました。2日かけて酒袋で醪を搾った優しい旨味のある純米酒です。冷たく冷やすか常温で、燗はぬるめでお召し上がり下さい」

 ラベルのスペック表示は「原材料 米(国産)米麹(国産米)、原料米 八反錦 精米歩合60% 使用割合100%、アルコール分15度、製造年月22.5」。

 使用米の「八反錦」は広島県立農業試験場が1973年、母「八反35号」と父「アキツホ」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定。1983年に命名、1984年に種苗法登録された酒造好適米。今や、「八反錦」といえば広島、広島といえば「八反錦」というほど、全国的に著名な酒米となっている。

 広島市の酒屋さん大和屋酒舗のサイトは、杜氏村上和哉さんへのインタビュー記事を以下のように掲載している。

【Q】『大号令で目指す酒』を教えて下さい!
【A】熊野の風土を生かし、蔵元 馬上さんを始め、みんなに「こりゃあ美味い酒じゃね!」と言ってもらえる、そして笑顔になってもらえる、そんなお酒を造りたいです。 狙った味のお酒を造るのではなく、熊野の水・広島の米で馬上酒造ならではの味を出していきたい。

酒蛙

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