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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4822】雪中梅 本醸造(せっちゅうばい)【新潟県】

2022.6.24 18:01
新潟県上越市 丸山酒造場
新潟県上越市 丸山酒造場

【B居酒屋にて 全7回の⑦完】

 1カ月に1回のペースで足を運んでいるB居酒屋。常時約200種類の酒を置いており、1カ月たてば、冷蔵庫のラインナップがけっこう更新されているので、「日本酒津々浦々」の取材に好都合なのだ。コロナで大苦戦を強いられていたが、第5波が下火になってから、ようやくお客さんが戻って来た。しかし、程なくオミクロンによる第6波が襲来し、またまた大苦戦。この6波の影響が長く続いている。早く、以前のにぎわいを取り戻してもらいたいものだ。わたくし一人が頑張ったところでしょせん、売り上げに貢献できないのがもどかしい。

「琵琶のさゝ浪」「播州一献」「天美」「村祐」「寒紅梅」「自然郷」と飲み進め、最後7番目にいただいたのは「雪中梅 本醸造」だった。「雪中梅」は当連載で4種類取り上げており、今回のお酒は以前、当連載【1360】で取り上げた「雪中梅 本醸造」と同じだが、飲んだのは9年前だったため、再度取り上げることにする。

 9年前は燗酒でいただいたが、今回も燗酒を所望する。「雪中梅 本醸造」を見ると、脳細胞は燗酒にシフトしてしまう。

 燗付けは、仲居さんにお願いした。口に含む。推定約50℃の熱燗だった。そしておもわず「旨いっ!」と口をついて出る。口当たりやわらかく、旨みたっぷり。クラシックタイプで、若干、古酒的昭和レトロ感がある。温度が40℃くらい(ぬる燗帯)に下がったら、辛みと酸が出てきた。う~む、これは飲み飽きしない酒だ。燗冷ましが実に旨い。甘みが出てきて、酸もいい。長い時間、だらだらだらだらと飲み続けられる酒だ。

 蔵のホームページは、この酒を以下のように紹介している。「やわらかな口当たりでコクがあり、ほのかな苦味と渋味が後口を引き締めます。契約栽培米を含む上越産米を使用。五百万石を箱麹法により製麴し、掛米は五百万石を主体に越淡麗、山田錦」

 これを見て仰天した。特定名称酒の中で一番ランクが低い本醸造なのに、五百万石、越淡麗、山田錦という、超有名どころの酒米を使っていることに驚いたのだった。おそらくはレギュラー酒の位置づけなのだろうが、レギュラー酒こそ手をかけて造らなければ、という蔵の姿勢が伝わってきて、好感が持てる。

 瓶の肩ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)醸造アルコール、アルコール分15.5度、精米歩合63%」

 酒名「雪中梅」の由来について、蔵のホームページは、以下のように説明している。

「越後の冬。空は鈍色の雲に覆われ、日本海側特有の重く湿った雪が降り積もります。
 その暗く重い冬と雪の中を耐え抜いて、馥郁たる香をまとって花を咲かせる梅は、雪国に春の兆しとよろこびを感じさせる象徴的な樹木です。
 早春は、蔵人たちにとっても、晩秋からの長い間、手間暇をかけた酒造りが一段落つく季節。
 植物が冬の間に春の支度を整えるように、蔵人も搾り上がりや半年後の熟成を見据えて、連日連夜、丁寧に仕事を積み重ねて行きます。
 厳しい季節を耐え抜く勁さと、しずかであふれるような春のよろこび。
 地道で高度な仕事の先に、「一酌、千憂を散ず」旨い酒が出来上がります。
 待ちわびた春の訪れを告げる梅の花のように、飲み手の皆様を、和ませる酒でありたいと願います」

 コトバンクによると、「雪中梅」は、「越乃寒梅」「峰乃白梅」と並び「越後三梅」として知られる、とのこと。

酒蛙

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