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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4814】十四代 純米大吟醸 白鶴錦(じゅうよんだい)

2022.6.16 15:45
山形県村山市 高木酒造
山形県村山市 高木酒造

【B居酒屋にて 全8回の⑧完】

 1カ月に1回のペースで足を運んでいるB居酒屋。常時約200種類の酒を置いており、1カ月たてば、冷蔵庫のラインナップがけっこう更新されているので、「日本酒津々浦々」の取材に好都合なのだ。コロナで大苦戦を強いられていたが、第5波が下火になってから、ようやくお客さんが戻って来た。しかし、程なくオミクロンによる第6波が襲来し、またまた大苦戦。この6波の影響が長く続いている。早く、以前のにぎわいを取り戻してもらいたいものだ。わたくし一人が頑張ったところでしょせん、売り上げに貢献できないのがもどかしい。

「写楽」、「長珍」、2種類の「長陽福娘」、「笑四季」、「花陽浴」、「群馬泉」と飲み進め、最後8番目にいただいたのは「十四代 純米大吟醸 白鶴錦」だった。「十四代」は飲む機会がけっこう多く、当連載でこれまで、15種類を取り上げている。「十四代」は酒質の高位安定を続けている、全国地酒蔵の雄である。さて、いただいてみる。

「おっ、旨い!!」。おもわず口をついて出た。一口目だけで旨さが分かるスグレモノ。甘旨酸っぱい味わいで、中でも酸が良く出ている。甘旨みもたっぷり出ているが、くどくはならない。一連の十四代のラインナップの中では、甘みがずいぶん出ている印象を受けた。余韻は苦み。キレが非常に良い。このため、香味のバランスの良さと相まって、上品感が出ている。これは旨い。

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。「白鶴錦…白鶴酒造(株)が山田錦の母にあたる山田穂と父にあたる渡船を約70年ぶりに交配させ、優れた米の選抜と栽培を毎年繰り返し2007年 山田錦の兄弟品種白鶴錦が誕生」

 使用米の「白鶴錦」を開発したのは、上記の通り白鶴酒造だ。白鶴蔵のホームページは、「白鶴錦」を開発したいきさつについて、以下のように説明している。

「白鶴酒造は新しい試みに着手しました。『山田錦』の母にあたる『山田穂』と父にあたる『渡船』を約70年ぶりに交配させ、『山田錦』の兄弟品種を作る試みです。兄弟米の中には山田錦をしのぐ米があるかもしれないと考えたのです。公的機関の協力のもと、交配によって1年目には800系統におよぶ兄弟米を得て、2年目は、そのなかから優れた米100系統を選んで栽培し、さらに3年目はより優れた米を選びぬく…という選抜固定の栽培を繰り返し、ようやく8年目の2003年、山田錦にも劣らない品質の米を選ぶことができました。この品種は『白鶴酒造が育て上げた期待の米である』という意味を込め『白鶴錦(はくつるにしき)』という名前を付け、2004年4月に農林水産省へ品種登録の出願を行いました」

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米 米麹、精米歩合45%、原料米 兵庫県産白鶴錦100%使用、アルコール分15度、製造年月2019.07」。

 酒名「十四代」の由来について、ウィキペディアは以下のように説明している。

「『十四代』は、元々古酒の銘柄名に使っていたが、最初は『十三代』『十四代』『十五代』『十六代』を商標登録したところ、数字では特許が取れなかったという。しかし『十四代』だけが特許が取れたのである。その後、高木辰五郎は政治に力を入れるようになり、また杜氏が高齢になり辞めたため、跡を継がせるため息子の高木顕統に戻ってきてもらったのである。十四代銘柄で幾つかの酒を造ったのは高木顕統が蔵に戻って来てからである。また、『十四代』のロゴのデザインは、書家の『岩崎潮風』の作である」

 また、「日本の名酒事典」は以下のように説明している。「元和元年(1615)創業の老舗だが、主力となる『十四代』は平成5年(1993)より販売された新しい銘柄。酒名は当主が14代目にあたることから命名された。東京で酒造を学んだ15代目が、ベテラン蔵人に支えられ、古い製法にこだわらず自らの造りたい酒を信じるままに造ったところ、その酒が高く評価され、主要銘柄となった」

酒蛙

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