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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4789】結 キタノメグミ 特別純米 生原酒(ゆい)【茨城県】

2022.5.17 15:53
茨城県結城市 結城酒造
茨城県結城市 結城酒造

【B居酒屋にて 全7回の③】

 1カ月に1回のペースで足を運んでいるB居酒屋。常時約200種類の酒を置いており、1カ月たてば、冷蔵庫のラインナップがけっこう更新されているので、「日本酒津々浦々」の取材に好都合なのだ。コロナで大苦戦を強いられていたが、第5波が下火になってから、ようやくお客さんが戻って来た。しかし、程なくオミクロンによる第6波が襲来し、またまた大苦戦。この6波の影響が長く続いている。早く、以前のにぎわいを取り戻してもらいたいものだ。わたくし一人が頑張ったところでしょせん、売り上げに貢献できないのがもどかしい。

「風の森 ALPHA pink」「風の森 ALPHA GREEN」と飲み進め、3番目にいただいたのは「結 キタノメグミ 特別純米 生原酒」だった。結城酒造のお酒は当連載でこれまで、5種類を取り上げている。内訳は「結」2種類、「富久福」3種類。この蔵のお酒は、非常にやわらかな酒質という印象を持っている。

 ところで、結城酒造は去る5月11日午後、火災により、江戸時代に建てられた国の登録有形文化財などになっていた2棟の酒蔵が焼失するなど約1100平方メートルを焼いた。火災の知らせを受けた全国の酒屋さんやファンから支援の輪が広がっている。一日も早い復興を念じてやまない。お見舞いメッセージとともにエールを送ります。

 今回のお酒は、火災の前にいただいたもの。北海道の酒造好適米「吟風」「彗星」「きたしずく」を同じ割合で使用した、という非常にユニークなお酒だ。興味津々でいただいてみた。

 上立ち香・含み香はともに穏やかで、ジューシー&フルーティー。やさしくて、やわらかな口当たり。甘旨酸っぱい味わいで、軽くてきれいな酸というか、けっこう存在感のある酸が好印象。味の主体は酸と旨み。余韻は苦み。キレが良い。軽い酒質で、今風の分類をすれば、モダンタイプのライトボディ酒といえる。

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。「北海道の酒造好適米 吟風、彗星、きたしずく 三種類全て使用した限定酒です。北海道の恵みたっぷり! 爽やかにお召し上がりくださいませ! 麹米、掛米すべて同比率で使用しております」

「吟風」(ぎんぷう)は、北海道立中央農業試験場が1990年、母「八反錦と上育404号の子」と父「きらら397」(主食用米)を交配、選抜と育成を繰り返し品種を固定。1999年に命名、2002年に品種登録された。

「彗星」(すいせい)は北海道立中央農業試験場が1996年、母「初雫」と父「吟風」を交配。育成と選抜を繰り返して品種を固定。2006年に命名、2006年に種苗法登録された。

「きたしずく」は、北海道立総合研究機構中央農業試験場が2002年、「雄町」×「ほしのゆめ」の子と「吟風」を交配。選抜と育成を繰り返し品種を固定、2012年に品種登録され、2014年6月にデビューした。北海道生まれとしては「吟風」「彗星」などに続く新しい酒造好適米。コメの特性としては、①濃醇で甘みの強い「吟風」と淡麗辛口の「彗星」のちょうど中間に位置する香りと味わいを持つ ②雑味が少なく、柔かな酒質に仕上がる傾向にある-という。北海道で生まれた酒米「きたしずく」は、全国の地酒蔵から人気を集めている。

 ラベルのスペック表示は「精米歩合60%、原材料名 米(国産)米糀(国産米)、北海道産米100%、アルコール分16度(生原酒)、製造年月2021.6」

 酒名「結」について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「『結』のラベルは、結城紬の『糸』の輪の中に、おめでたい『吉』が入るという文字デザインです。美味しいお酒で、人と人、人と酒、人と町(結城)を結ぶ『町おこし』をしたいという願いが込められています。デザインは結城市の書家、三木翠耿氏。鬼怒川系伏流水を生かした柔らかな口当たり、ふくよかな味わいを目指しております」

酒蛙

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