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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4788】風の森 ALPHA GREEN 奈良酒 無濾過無加水生酒(かぜのもり)【奈良県】

2022.5.16 16:47
奈良県御所市 油長酒造
奈良県御所市 油長酒造

【B居酒屋にて 全7回の➁】

 1カ月に1回のペースで足を運んでいるB居酒屋。常時約200種類の酒を置いており、1カ月たてば、冷蔵庫のラインナップがけっこう更新されているので、「日本酒津々浦々」の取材に好都合なのだ。コロナで大苦戦を強いられていたが、第5波が下火になってから、ようやくお客さんが戻って来た。しかし、程なくオミクロンによる第6波が襲来し、またまた大苦戦。この6波の影響が長く続いている。早く、以前のにぎわいを取り戻してもらいたいものだ。わたくし一人が頑張ったところでしょせん、売り上げに貢献できないのがもどかしい。

 今回、まず選んだのは「風の森 ALPHA pink 奈良酒 無濾過無加水生酒」。続いて選んだのは「風の森 ALPHA GREEN 奈良酒 無濾過無加水生酒」だった。「風の森」はわたくしの口に非常に合うブランドで、常に「お気に入り蔵ベスト5」に入っている(あくまでも個人的嗜好です)。必然的に当連載で22種類を取り上げている。もっとも、わたくし行きつけの複数の居酒屋は、「風の森」を好み、冷蔵庫に常駐させている。したがって、飲む機会が多いのは当然の帰結。今回のB居酒屋も「風の森」を常駐させている。

 さて、今回のお酒はALPHAシリーズ。そのコンセプトについて、裏ラベルは「従来の風の森の枠を超えて目標を定め、独創的な技術で日本酒の可能性を追求します」としている。。

 ALPHAシリーズには、TYPE1から8まである。今回のTYPE7について裏ラベルは「一期一会」と題し、「TYPE7は、あなただけのオリジナルのお酒を楽しめるように設計いたしました。今年は香りに焦点を当て、GREENは、緑のブドウや洋ナシの香りを感じさせる緑系の香り。もう一方のPINKとブレンドすることで、お客様ご自身の味わいをみつけていただき、そのときにしか感じることのできない『一期一会』の味わいをお楽しみください」

 また、蔵のホームページは以下のように説明している。「その時その場所で、あなただけしか味わうことができない、オリジナルのお酒を楽しめるよう設計いたしました。今回は、香りの違いに焦点を当て、イチゴや南国の果実を思わせるピンク系の香りのピンクと、洋ナシや青リンゴを感じさせる緑系の香りのグリーンをセットにしました。お客様ご自身で自分好みのバランスにブレンドしていただき、その時しか感じることのできない「一期一会」の味わいを楽しみください」

 ブレンドの仕方について、矢島酒店(千葉県船橋市)のサイトは、以下のように懇切丁寧に説明している。
【1】まずはそれぞれのお酒をそのまま少しずつ楽しむ。目標のバランスをイメージする
【2】付属のビーカーにメインにしたいお酒をご希望の目盛りまで注ぐ
【3】もう一方のお酒を適量加え、テイスティングをする
【4】自分の好みのバランスを見つける
【5】酒器に注いで楽しむ

 今回、この文章を書くにあたり、現場で撮影したラベルや酒屋さんのサイトを読み、ショックを受けた。PINKとGREENが、自分好みでブレンドする目的で醸されたことを初めて知ったからだ。それを知らなかったものだから、というより、裏ラベルを読まなかったものだから、PINKとGREENをそれぞれ単独で飲んでしまった。嗚呼。さて、単独で飲んだGREENの感想は以下の通り。

 含み香は、メロンとマスカットが一緒になったような香りに、菌類的木的墨的ニュアンスが加わる。セメダイン香(酢酸エチル)も少々。とろみが少なく、甘旨酸っぱい味わい。PINKより酸が良く出ており、さわやか感を感じる。キレも良い。余韻は酸と苦み。モダンタイプの酒質ではあるが、PINKよりややクラシック寄りに感じた。とにかく、酸が良いと感じた。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「米 兵庫県産山田錦、仕込水 超硬水 金剛葛城山系深層地下水 硬度250mg/L前後、発酵日数30日、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、アルコール分16度、兵庫県産山田錦100%使用、精米歩合 非公開、製造年月2021.04」。

 酒名に「奈良酒」と書かれている。その意味について、酒屋さんのサイトは蔵元コメントとして、以下のように説明している。

「奈良酒(ならざけ)とは500年前、大寺院が現代の清酒造りの礎とも言える技術革新を確立した場所。奈良。この地は時に伝統格式を重んじ、物事の文化的側面を支え、またその一方でその伝統を改変し、新たな伝統を作り上げるということにも長けた一面を備えた場所。室町時代、この地の先進流派により醸された酒は奈良酒(ならざけ)と呼ばれ珍重されました」

 酒名「風の森」の由来について、大和屋酒舗(広島市)のサイトは、以下のように説明している。

「『風の森』の酒名は同市内にある風の森峠から付けられました。峠付近は、日本で一番早く稲作が行われた地域だといわれ、金剛山麓から強く吹き抜ける風を避け五穀豊穣を祈願して、風の神である志那都彦神(しなつひこのかみ)を祭神とする『風の森神社』が近くの森に祀られています」

酒蛙

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