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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4774】天弓 純米大吟醸 翠雨(てんきゅう すいう)【山形県】

2022.4.28 18:43
山形県南陽市 東の麓酒造
山形県南陽市 東の麓酒造

【T居酒屋にて 全6回の③】

 東京・新橋の居酒屋をほうふつとさせるT居酒屋。とにかく、いつ行ってもぎっしり満席。にぎやかな店内はそれこそ「新橋」だ。しかし、コロナ流行以来、つい足が遠くなり、今回暖簾をくぐったのは、1年以上ぶり。店内は相変わらずの満席で、この店に限っては“コロナ閑古鳥”とは無縁のようだ。

「北雪」「刈穂」と飲み進め、3番目にいただいたのは「天弓 純米大吟醸 翠雨」だった。東の麓酒造のお酒は当連載でこれまで、「東の麓」4種類、「天弓」3種類を取り上げている。 

 この「天弓」ブランドの開発には東北芸術工科大学(山形県山形市)がかかわっている。それについて、同大学のサイトは以下のように説明している。また酒名「天弓」の由来も説明している。

「東北芸術工科大学では、東の麓酒造有限会社(南陽市/社長 遠藤孝蔵氏)が(2015年)12月23日に発売を予定している新ブランド『天弓(てんきゅう)』の共同開発を行い、12月21日に完成お披露目会を行いました。
 コンセプトから、ネーミング、ブランド展開ストーリー、そしてラベルデザインまでトータルなプロデュースをしています。担当したのは企画構想学科のボブ田中教授と同学科学生有志10名、及びグラフィックデザイン学科の中山ダイスケ教授と同学科学生有志6名、合わせて16名によるプロジェクトチームです。
 『天弓』とは、雨が降った後の晴れた空に見られる『虹』のことを意味しています。天気の『晴れ』は、『ハレ』として節目を指す言葉としても用いられ、儀礼などの『特別な日』を指します。これに対し、『ケ』は『普段の日』を表すとされています。『天弓』は、そんな『ハレ』の日にも『ケ』の日にも、感謝の気持ちを届けてくれる日本酒として開発されました。ラベルは虹をベースとしながら、『ハレ』と『ケ』の日々をそれぞれ表すデザインとなっています。
 本プロジェクトは、多くの方が日々の生活に感謝しながら日本酒を飲み、感謝の気持ちを込めて日本酒を贈るという、新しい日本酒の楽しみ方を提案していきます」

 さて、いただいてみる。一口含み「おおおおっ、これは旨い」と叫んでしまった。含み香は、アンズのような和的果実香。甘旨酸っぱくて、これまたアンズの味わい。甘旨みが広がる。この日これまで飲んだ「北雪」「刈穂」と世界が全く違う。土俵が違う。フルーティー&ジューシー。典型的なモダンタイプのミディアムボディ。甘旨みと酸が非常に出ている。余韻も甘旨みと酸。口当たりは、やわらかく、まろやかで、やさしい。フルーツジュースを飲んでいるみたいな印象だった。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、精米歩合50%、アルコール分15度、杜氏 神理、製造年月 21.11」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。

 酒名・蔵名「東の麓」の由来について、日本の名酒事典は「蔵が県の南部、吾妻連峰の麓に広がる置賜盆地の北端に位置することによる」、コトバンクは「蔵が吾妻連峰の麓に広がる置賜(おきたま)盆地に位置することに由来」と説明している。すなわち、「吾妻」を「東」に置き換えて酒名にしたのだった。

酒蛙

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