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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4760】作 純米吟醸 愛山(ざく)【三重県】

2022.4.10 18:29
三重県鈴鹿市 清水清三郎商店
三重県鈴鹿市 清水清三郎商店

【E居酒屋にて 全8回の⑧完】

 足掛け16年続けてきた異業種間飲み会の日本酒研究会月例会が1月から、コロナのため開催自粛を余儀なくされている。会場のE居酒屋には申し訳が立たない。そこで、焼け石に水ではあるが、すこしでも恩返しができれば、と単騎、E居酒屋に顔を出した。

「七本鎗」「梵」「奥」「飛露喜」「鏡山」「笑四季」「???町田酒造」と飲み進め、最後8番目にいただいたのは「作 純米吟醸 愛山」だった。「作」は、モダンタイプのお酒、という印象が濃厚にある。当連載でこれまで、「作」を7種類取り上げている。さて、今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 フルーティーなお酒だ。果実香が広がり、例えるならばメロン的であり和梨的でもある香り。上品感がある。味わいは甘旨酸っぱく、中でも酸がフレッシュで、メリハリがある。甘旨みと酸とのバランスが非常に良い。ジューシー感がある。飲み進めていくと、甘みが一番出て来る。余韻は辛みと苦み。ややとろみがある。絵に描いたような、いかにもモダンタイプの酒だった。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合55%、アルコール分16度、製造年月2021.11」。750mlボトルでびっくり。ふつうの四合瓶は720mlだ。

 使用米の「愛山」は、兵庫県立明石農業改良実験所が1941年、母「愛船117」と父「山雄67」を交配。太平洋戦争を経て1949年に品種を固定した。母方の父は雄町系、父方は雄町と山田錦の子という、全身に山田錦と雄町の“血”がたっぷり入っている、酒米界のサラブレッド的出自を誇る。玄米が大粒で、山田錦と同等かそれ以上の、米粒の重さと、米糠割合の少なさのため、酒造効率が良く、酒造に非常に適している、という評価が高かった幻の品種。現在は、兵庫県のごく一部の生産者だけが栽培している。希少品種ゆえ近年、人気が高まりつつあり、「愛山」を使う蔵が急上昇中だ。

 この蔵の銘柄は「作」と「鈴鹿川」の二枚看板。「作」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「『作』は極上の地元で収穫された米のみを使用して 醸される清水清三郎商店の自信作です。スッキリとした味わいを基本に たくさんの方に愉しんでいただける お酒として誕生しました。飲む人やそれを提供する人たち 出会った皆で作り上げる酒という願いを込めて 『作 ざく』と名付けられました。誰からでも『美味しい』と言ってもらえるお酒を。『親しみやすい』ロングセラーを目指し、今も進化を続けています」

酒蛙

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