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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4700】穏 おだやか 純米吟醸 夏の純米吟醸(おだやか)【福島県】

2022.1.21 22:43
福島県郡山市 仁井田本家
福島県郡山市 仁井田本家

【B居酒屋にて 全8回の⑤】

 1カ月に1回のペースで足を運んでいるB居酒屋。常時約200種類の酒を置いており、1カ月たてば、冷蔵庫のラインナップがけっこう更新されているので、「日本酒津々浦々」の取材に好都合なのだ。コロナで大苦戦を強いられていたが、第5波が下火になってから、ようやくお客さんが戻って来た。しかし、ソーシャル・ディスタンスを確保するため、満席でもコロナ前の7割しか客を入れられない。うまくいかないものだ。そうこうしているうち、オミクロンによる第6波が襲来。まったくもって、うまくいかないものだ。

「三重錦」「甲子林檎」「手取川」「七田」と飲み進め、5番目にいただいたのは「穏 おだやか 純米吟醸 夏の純米吟醸」だった。仁井田本家のお酒は当連載でこれまで、「自然酒」5種類、「穏」4種類を取り上げている。「自然酒」はしっかりした味わいの酒、という印象を持っている。

 また、酒名「穏」は、蔵元さんの名「仁井田穏彦」からとったもの。千葉市の酒販店「IMADEYA」のサイトによると、「穏」は、代々の蔵元さんが名に受け継ぐ字なんだそうな。では、いただいてみる。

 おおおおっ! おもわず声に出た。酸が非常に立っていたのだ。まるで8号酵母を使ったような、あるいは白麹(通常、焼酎の製造過程で使用)を使ったような、ジューシーで、はつらつとしたさわやかな酸が、おもいっきり前に出ていたのだ。このような酒は個人的には文句なく好きだ。甘旨みもたっぷり出ており、やわらかな口当たり。果実感があり、みずみずしく、きれいなお酒。甘旨酸っぱい味わいで、モダンタイプのミディアムボディ~ライトボディ辺りの位置と感じた。余韻は苦み。実に実に美味しい、とおもった。

 瓶の裏シールは、この蔵のコンセプトを以下のように紹介している。「仁井田本家は自然米100%の純米造り。元気な田んぼが溢れる日本の未来のために、お酒を楽しく(適量!)飲んで共に日本の田んぼを守りましょう!  18代 仁井田穏彦」

 裏シールのスペック表示は「アルコール分16度、精米歩合60%、原材料名 米(国産)米糀(国産米)、自然米 表示義務のない加工助剤・酵素剤等も不使用、放射性物質不検出確認済、製造年度20BY、製造年月21.05」。使用米の品種名が非開示なのは残念だ。「放射性物質不検出確認済」は、東日本大震災に伴う原発事故の対策の一環。福島県の酒の瓶ラベルにこの文字を見つけると、心が痛む。

 非常に美味しい酒だったが、瓶の表の絵は、ツッコミどころ満載だ。絵の中央のグータッチみたいなのは何だ? その下のカエルは何だ? 取り囲む植物は何だ? さっぱり分からず、イラっと来る。裏ラベルで説明がほしかった。

酒蛙

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