×
メニュー 閉じる メニュー
文化

文化

日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4697】甲子林檎 純米吟醸 生酒(きのえねアップル)【千葉県】

2022.1.17 21:34
千葉県印旛郡酒々井町 飯沼本家
千葉県印旛郡酒々井町 飯沼本家

【B居酒屋にて 全8回の➁】

 1カ月に1回のペースで足を運んでいるB居酒屋。常時約200種類の酒を置いており、1カ月たてば、冷蔵庫のラインナップがけっこう更新されているので、「日本酒津々浦々」の取材に好都合なのだ。コロナで大苦戦を強いられていたが、第5波が下火になってから、ようやくお客さんが戻って来た。しかし、ソーシャル・ディスタンスを確保するため、満席でもコロナ前の7割しか客を入れられない。うまくいかないものだ。そうこうしているうち、オミクロンによる第6波が襲来。まったくもって、うまくいかないものだ。

 今回のトップバッターは、「三重錦 超辛 純米 28酒造年度」。続いていただいたのは「甲子林檎 純米吟醸 生酒」だった。瓶の首に掛けられたリンゴのタグが可愛らしい。およそ日本酒とはおもえないタグだ。飯沼本家のお酒は当連載でこれまで、5種類を取り上げており、うち4種類が「甲子」だ。さて、いただいてみる。

 酒蛙「甘やか! 後味は次第に酸が出て来る。甘みの強い甘酸っぱいお酒。しかし、ジューシーでさわやかだ」
 仲居さん「シードルの酸が弱いようなイメージ」
 酒蛙「甘旨みたっぷり。毎朝飲んでいるリンゴ酢のような酸がアクセントになっており、全体として甘旨酸っぱい味わい。余韻も酸。旨いなあ。すいすいイケる」

 瓶の裏の印字は、この酒を以下のように紹介している。

「リンゴ酸を多産する、協会77号酵母を使用した純米吟醸酒『きのえねアップル』。柚子リキュールの研究開発での甘酸をヒントに試行錯誤を重ねて誕生しました。白ワインに多く含まれるリンゴ酸が奏でる奥ゆかしい香り、甘みと酸味の調和、爽やかな余韻。日本酒に馴染みのない方にもお楽しみいただける飲みやすさに仕上がりました」

 耳慣れない77番酵母について、ウィキペディアは以下のように説明している。「リンゴ酸高生産性多酸酵母。酸度が高いがコハク酸は少なく、リンゴ酸が全部の有機酸の70%前後をしめる。カプロン酸エチル高生産性で多酸酒、増醸酒、貴醸酒、長期熟成酒、低濃度酒に適する」

 蔵のホームページは、この酒の「コンセプト」「商品誕生の背景」「ポイント」について、以下のように説明している。

【コンセプト】
「可愛くて飲みやすい、でも本格派。”日本酒”の新しい可能性を広げていくカジュアルスタイルの純米吟醸酒。白ワインに多く含まれるリンゴ酸が奏でる奥ゆかしい香り、甘みと酸味の調和、爽やかな余韻。軽快な後味は、冷やすことでより一層美味しくお飲みいただけます。日本酒に馴染みのない方にも新しい味わいと喜びをそんな想いから生まれたのが「きのえねアップル」です。アップルで、世界はもっと広がっていく。

【商品誕生の背景】
 当社の製造トップの川口幸一が、梅リキュールの製造過程での甘酸のバランス調整をヒントに、清酒「KINOENE APPLE」が試験醸造されました。2017年に名称、デザインを全面リニューアルし、「新・きのえねアップル」が誕生。夏酒市場全体を牽引する一大商品になると私たちは信じています。

【ポイント】
 需要期が冬に集中する日本酒業界。あえて真逆の夏期向けの商品を開発しました。醸造家の間で避けられてきた「酸味」というタブーに挑戦し、あえて酸を強調することで甘酸の絶妙なバランスが生まれました。リンゴ酸の奏でる爽やかな余韻が飲み手に涼を誘います。
 「アップルだけど日本酒」。従来の価値観にとらわれない、新しい発想から生まれました。商品やサービスのブランド開発を行うデザインファーム「tegusu Inc.」の協力で生まれたトレードマークの林檎の首かけは、リーチインの中でもひと際に人目を引きつけます。
 好みの日本酒を見つけたい、日本酒に興味があるがなかなか飲む機会がない。そういったお客様にはぴったりのお酒です。アルコール分は14%台と低め。甘い飲み口でありながら清涼感を併せ持つ酒質は、日本酒ビギナーの方にこそ楽しんでもらいたい逸品です。

 瓶の裏のスペック表示は「アルコール分15度、原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、精米歩合55%」。使用米の品種名が非開示なのは残念だが、蔵のホームページは「原料米 五百万石」と開示している。このほかホームページでは「日本酒度 -18、酸度 2.9」と開示している。

 酒名「甲子正宗」の由来について、日本の名酒事典は「酒名は、十干十二支の最初である甲子に、一番優れた酒であるようにとの願いを込めて命名」と説明している。

 また千葉県八千代市の美好屋酒店のサイトは、以下のように説明している。「『甲子』の名前の由来は、現社長の4代前の当主が、元治元年(1864年)の甲子(十干十二支の最初の年)の年の生まれで、『関東一の酒屋に』という志を持っていた事と甲子の年が縁起が良いということで『甲子』と命名されました」

酒蛙

関連記事 一覧へ