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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4681】瑞鷹 菜々 純米(ずいよう さいさい)【熊本県】

2021.12.23 16:32
熊本県熊本市 瑞鷹
熊本県熊本市 瑞鷹

 実に8カ月ぶりの日本酒研究会開催となった。最後に開いたのは2021年4月14日。コロナ第4波の最初のころだった。ほどなく第4波の新規感染者が急上昇。研究会は開催を自粛した。第4波の終息を待ったが、終息しきれないうちに強烈な第5波に見舞われ、研究会は艱難辛苦自粛を続けざるを得なかった。第5波がほぼ終息したタイミングで8カ月ぶりの開催にこぎつけた。

 日本酒研究会は、ことしで15周年を迎えた異業種間親睦飲み会。巨大地震があっても、毎月欠かさず飲み続けてきた。8カ月に及ぶ中断は会始まって以来のことだった。研究会は当初、さしたる目標を持っていなかったが、いつのころからか、日本の現役酒蔵の酒を全部飲もう、という壮大かつ微妙に無謀な目標を立て、現在に至る。

 お酒を用意するのは、会場・E居酒屋ママの親戚筋にあたるバイヤーKさん。彼は、わたくしたちの「飲酒履歴」を丹念に調べ、毎回、6種類の酒を用意してくれる。今回は熊本県の酒6種類を用意、このうち3種類がわたくしたちにとっての初蔵だ。これで熊本県の酒蔵を全部飲んだことになり、日本全体の飲んだ蔵数は1198蔵となった。Kさんには、この場を借りて感謝申し上げます。

 なお、今回供されたお酒は、Kさんが日本酒研究会5月例会用に用意してくれたもの。したがってこの8カ月間、E居酒屋の冷蔵庫で鎮座し続けてきたお酒である。

 さて、「神田」「和田志ら露」「れいざん」「酒一番」「美少年」に続いて最後6番目にいただいたのは、「瑞鷹 菜々 純米」だった。この酒は、わたくしたちにとって、初蔵酒だ。

 酒蛙「上立ち香ほのか。含み香は果実香ほのか。上品な雰囲気」
 F 「繊細なお酒」
 N 「今夜これまで飲んだ酒の中で、一番酸が強い」
 酒蛙「たしかに、酸が一番強い。最後がこの酒だったのが良い。さすがバイヤーKさん。彼の順番表の順に飲んで大正解だ。これ、いいね。旨いね」
 F 「美味しい」
 HA「美味しい」
 N 「今夜飲んだ酒で、これが一番良い」
 酒蛙「さっぱりした口当たり。そして、甘旨酸っぱい味わい」

 蔵のホームページは以下のようにこの酒を紹介している。

「地産の素材と質にこだわった純米酒『純米酒 菜々』は、お米の味が活きた柔らかな甘さの中に、さわやかな酸味を感じるスッキリとした味わいが特徴の純米酒です」
「『純米酒 菜々』は、熊本県八代市鏡町の菜の花畑で、『菜の花栽培』という除草剤を一切使用しない特別栽培で生産された酒米『吟のさと』を100%使用した、地産の素材と質にこだわった純米酒です。広がる米のふくらみと、さわやかな酸味が特徴の『純米酒 菜々』」

 この説明だと、なぜ菜の花栽培なのか分からない。これについて、「くまもとグリーン農業」は、以下のように説明している。

「やつしろ菜の花ファーム987では、菜の花と水田、イグサを交互に栽培されています。栽培された菜の花からは蜂蜜や菜種油を、菜の花の後に植えられた水田からは、菜の花米を収穫するだけでなく、菜の花米を原料とした純米酒や玄米黒酢、野菜農家と協力してトマトビネガーを作るなど、菜の花につながる農産物を『菜の花畑の贈り物』として生産されています」

 要するに、除草剤の要らないコメづくりを目指し、菜の花(セイヨウアブラナ)、コメ、イグサを輪作、土づくりをしているのだった。そして、菜の花の植物体を水田にすき込んだり、ナタネの搾りかすを肥料にしたりしコメを作っていることが、酒名「菜々」の由来となった。

 瓶のラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、精米歩合65%、アルコール分17度、米生産地 熊本県八代市鏡町、米生産者 やつしろ菜の花ファーム987、吟のさと(菜の花米)100%使用、製造年月R3.1」。このほか、ホームページでは「日本酒度±0、酸度2、酵母 熊本酵母」と開示している。

 使用米の「吟のさと」は、(独)農研機構九州沖縄農業研究センター筑後研究拠点稲育種ユニットが1996年、母「山田錦」と父「西海222号」(母は『山田錦』)を交配、選抜と育成を繰り返し開発。2010年に品種登録された新しい酒造好適米だ。“血”の4分の3が「山田錦」で占められているコメである。

 酒名「瑞鷹」の由来について、日本の名酒事典は、以下のように説明している。「慶応3(1867)年創業。酒名は、明治22年の元旦の朝、鷹が羽ばたき勇ましく酒蔵に舞い降りた。正月に鷹のめでたさを機縁として『瑞鷹』と命名」

酒蛙

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