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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4680】美少年 純米 清夜(びしょうねん せいや)【熊本県】

2021.12.22 18:08
熊本県菊池市 美少年
熊本県菊池市 美少年

【日本酒研究会月例会 全6回の⑤】

 実に8カ月ぶりの日本酒研究会開催となった。最後に開いたのは2021年4月14日。コロナ第4波の最初のころだった。ほどなく第4波の新規感染者が急上昇。研究会は開催を自粛した。第4波の終息を待ったが、終息しきれないうちに強烈な第5波に見舞われ、研究会は艱難辛苦自粛を続けざるを得なかった。第5波がほぼ終息したタイミングで8カ月ぶりの開催にこぎつけた。

 日本酒研究会は、ことしで15周年を迎えた異業種間親睦飲み会。巨大地震があっても、毎月欠かさず飲み続けてきた。8カ月に及ぶ中断は会始まって以来のことだった。研究会は当初、さしたる目標を持っていなかったが、いつのころからか、日本の現役酒蔵の酒を全部飲もう、という壮大かつ微妙に無謀な目標を立て、現在に至る。

 お酒を用意するのは、会場・E居酒屋ママの親戚筋にあたるバイヤーKさん。彼は、わたくしたちの「飲酒履歴」を丹念に調べ、毎回、6種類の酒を用意してくれる。今回は熊本県の酒6種類を用意、このうち3種類がわたくしたちにとっての初蔵だ。これで熊本県の酒蔵を全部飲んだことになり、日本全体の飲んだ蔵数は1198蔵となった。Kさんには、この場を借りて感謝申し上げます。

 なお、今回供されたお酒は、Kさんが日本酒研究会5月例会用に用意してくれたもの。したがってこの8カ月間、E居酒屋の冷蔵庫で鎮座し続けてきたお酒である。

 さて、「神田」「和田志ら露」「れいざん」「酒一番」に続いて5番目にいただいたのは、「美少年 純米 清夜」だった。当連載で「美少年」は、1種類「美少年 超辛口 +15」(当連載【858】)を取り上げている。今回のお酒をいただいてみる。

 酒蛙「昭和レトロ、クラシカル、ノスタルジックな香りを感じる」
 N 「味もそうだ」
 M 「甘みがあるかな?」
 酒蛙「甘みは出ているとおもう」
 N 「『美少年』というから、きれいで、すっきりした酒と思っていたが・・・」
 酒蛙「これ、けっこういいかも。旨みと酸のバランスが良い。けっこう旨みが厚く、しっかりした味わいに感じる。エンディングは昭和レトロ的な含み香」

 蔵のホームページはこの酒を以下のように紹介している。「菊池産米『ひのひかり』を主に使用した、濃醇な味わいの純米酒。口の中にふくよかな甘みが広がり、しっかりとした酸味が喉越しをすっきりさせてくれます。
Kura master 2019 プラチナ賞受賞
2015年日本全国美酒鑑評会 純米酒部門【準大賞】」

 使用米の「ヒノヒカリ」は宮崎県総合農業試験場作物部育種科が1979年、母「黄金晴」と父「コシヒカリ」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定。1989年に命名、1990年に種苗法登録された主食用米。人気品種のひとつで、デビュー以来、品種別作付面積では常に上位につけている。

 瓶のラベルのスペック表示は「原材料名 米(熊本県菊池産)米麹(熊本県産米)、精米歩合70%、製造年月21.03」。ホームぺージだけでなく、ラベルにも使用米の品種名を表示してほしかった。

 酒名「美少年」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「平成25年8月に私どもが、火の国酒造株式会社から譲り受けました酒造事業。その代表的な銘柄である“美少年”には江戸時代から続く長い酒造りの歴史があります。
 宝暦2年 (1752年)、肥後熊本藩六代藩主であり、紀州藩九代藩主・徳川治貞と「紀州の麒麟、肥後の鳳凰」と並び称された名君・細川重賢公(霊感公)より命を受けた蔵人が、肥後国隈庄(現:熊本市南区城南町)で酒造りを始めたことに由来します。
 大正9年(1920年)に、清酒“美少年”を発売。九州を代表する清酒銘柄として、全国の皆様にご愛飲頂いてまいりました。銘柄の由来ですが、唐の詩人である杜甫の『飲中八仙歌』に登場する酒豪の1人 崔宗之にちなんで“美少年”と名づけたとのことです」

 しかし、これだけだと分からない。「日本の名酒事典」は、由来について、以下のように分かりやすく説明している。「唐代の詩人・杜甫の『飲中八仙歌』に『崔宗之はさっぱりした美少年、盃を挙げて白眼晴天を望めば、見事な樹木が風に吹かれているようだ』という一節がある。崔宗之とは名門の子弟であり、その品位にあやかって酒名を『美少年』とした」

酒蛙

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