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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4677】和田志ら露 ひや 本格原酒(わだしらつゆ)【熊本県】

2021.12.19 21:25
熊本県阿蘇郡南小国町 室原合名
熊本県阿蘇郡南小国町 室原合名

【日本酒研究会月例会 全6回の➁】

 実に8カ月ぶりの日本酒研究会開催となった。最後に開いたのは2021年4月14日。コロナ第4波の最初のころだった。ほどなく第4波の新規感染者が急上昇。研究会は開催を自粛した。第4波の終息を待ったが、終息しきれないうちに強烈な第5波に見舞われ、研究会は艱難辛苦自粛を続けざるを得なかった。第5波がほぼ終息したタイミングで8カ月ぶりの開催にこぎつけた。

 日本酒研究会は、ことしで15周年を迎えた異業種間親睦飲み会。巨大地震があっても、毎月欠かさず飲み続けてきた。8カ月に及ぶ中断は会始まって以来のことだった。研究会は当初、さしたる目標を持っていなかったが、いつのころからか、日本の現役酒蔵の酒を全部飲もう、という壮大かつ微妙に無謀な目標を立て、現在に至る。

 お酒を用意するのは、会場・E居酒屋ママの親戚筋にあたるバイヤーKさん。彼は、わたくしたちの「飲酒履歴」を丹念に調べ、毎回、6種類の酒を用意してくれる。今回は熊本県の酒6種類を用意、このうち3種類がわたくしたちにとっての初蔵だ。これで熊本県の酒蔵を全部飲んだことになり、日本全体の飲んだ蔵数は1198蔵となった。Kさんには、この場を借りて感謝申し上げます。

 なお、今回供されたお酒は、Kさんが日本酒研究会5月例会用に用意してくれたもの。したがってこの8カ月間、E居酒屋の冷蔵庫で鎮座し続けてきたお酒である。

 さて、トップバッター「神田 熊本純米」に続いていただいたのは「和田志ら露 ひや 本格原酒」だった。この蔵のお酒を飲むのは初めて。久しぶりの“初蔵酒”にみんな、色めき立つ。それにしても「本格原酒」という言葉の使い方を初めてみた。なぜなら、日本酒の場合、原酒は水を一滴も加水していない、という意味。本格原酒といっても、水を一滴も加水していない酒に変わりはない。だから普通は「本格」を付けない。乙類焼酎を意味する「本格焼酎」と勘違いされているのでは?と余計な心配をしてしまう。さて、いただいてみる。

 HA「味が口の中にまとわりつく」
 F 「きついっす」
 I 「香りが強い」
 N、M「甘~い」
 N 「とろっとしている」
 酒蛙「アルコール分19度というが、19度という強さには感じない。甘みが出ている。余韻に辛みがあり」
 I 「最初に飲んだ『神田』よりコクがあるようにおもえる」
 酒蛙「香りほのか。とろみがあり、まろやかな口当たり。甘旨辛のバランスが良い。余韻の辛みが味を引き締めている。甘旨が出ており濃醇タイプだが、くどさは感じられない。辛みが引き締めているからだろう」

 瓶のラベルは、以下のようにこの酒を紹介している。

「『ひや』は氷に負けない、香り高い本格原酒。しぼったまま一滴の水も加えない、芳しい濃醇な旨味。杜氏が丹精こめて育てあげた独特の風味が自慢なり。風鈴の音を聞きながらの一献こそ、暑気払いに最高。口に含むや、キリッと涼味が走り、今宵また酔うて候。人生楽しき哉、『ひや』との旨き対話。ひとりで呑んでも良し、酌みかわすも良し。日本の夏に、心のこる一献の『ひや』宜しき哉」」

 この文章の冒頭の「『ひや』は氷に負けない」を読んで、「ん?」とおもった。意味不明だから。しかし、ラベルに小さな字で書かれている「グラスに氷を入れてから、『ひや』をそそぎ、氷がとけないうちにお召し上がりください」を読んで合点がいった。オンザロックにしても、酒の味が損なわれることがない、という意味だったのだ。そして、わたくしたちがロックではなく、普通の冷酒で飲んだことを悔やんだ。暗がりの居酒屋で、この小さな字を読むのは不可能だ。

 ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)醸造アルコール、糖類、酸味料、製造年月3.2」。このお酒は、スペック表示をみると、普通酒であることが分かる。普通酒にしてはクセが全く無く、しかも無加水でアルコール分が19度もあるスーパー普通酒だとおもった。

 ネット情報によると、この蔵のお酒は「南小国町の住宅街の一角に佇む蔵、ほぼ地元でのみ消費される希少酒」とのこと。

酒蛙

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