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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4665】陸奥八仙 純米吟醸 三ツ友恵 豊盃(むつはっせん)【青森県】

2021.11.24 17:26
青森県八戸市 八戸酒造
青森県八戸市 八戸酒造

【うなぎ屋にて 全3回の③完】

 いつものように、ふらりと近所のうなぎ屋さんへ。うなぎはもちろんだが、店主の隠し酒が楽しみだ。いつも、数本の日本酒を抱えて持ってきて、わたくしに選ばせる。今回持ってきたのは、3本セットの「三ツ友恵」(みつどもえ)だった。

 これは、青森県を代表する「田酒」「陸奥八仙」「豊盃」という3蔵の合同企画プロジェクト。この3蔵がそれぞれ独自に契約栽培している酒米「レイメイ」(八仙)、「古城錦」(田酒)、「豊盃米」(豊盃)があり、3蔵がそれぞれを提供し合い、「純米吟醸」「精米歩合55%」「アルコール分16%」という同じ条件で醸す、まさかのコラボレーション。普段ライバルである3蔵が心を一つにしてこのプロジェクトに取り組み、青森県の酒類業界、飲食業界、更には地元地域を一緒に盛り上げようという思いが込められている。

 ライバル蔵が、通常流通していない酒米を提供し合い醸すという全国的にも珍しい企画だ。まず、八戸酒造(陸奥八仙)だけが契約栽培している「レイメイ」というコメを3蔵が使って醸したお酒が第一弾として売り出された。第二弾は西田酒造店(田酒)だけが契約栽培している「古城錦」というコメを3蔵が使って醸したお酒、そして今回の第三弾は三浦酒造(豊盃)だけが契約栽培している「豊盃」というコメを3蔵が使って醸したお酒として売り出された。

 今回の使用米「豊盃」は、青森県農業試験場が1967年、母「古城錦」(その母は五百万石)と父「レイメイ」(主食用米)を交配、1976年に命名された。現在は、契約栽培で、この三浦酒造しか使用していない。1976年当時の青森県知事竹内俊吉氏の地元(旧・木造町、現・つがる市)の津軽民謡の「ホーハイ節」から、当て字で「豊盃」と命名された。

 まず「田酒」で知られる西田酒造店が、次に「豊盃」で知られる三浦酒造が、そして3番目に「陸奥八仙」で知られる八戸酒造が「豊盃」で醸したお酒をいただいた。

 まるで洋梨のような上立ち香。含み香も洋梨中心にバナナが加わった感。微発泡。味わいは、甘旨酸っぱさが際立ち、びっくり。甘旨酸っぱさの中でも酸が非常に立つ。洋梨とバナナが一緒になったようなジューシー&サイダーな味わい。しかし重くはなく、軽快感があり、キレは抜群。余韻は苦み。3種類の酒の中で、味にメリハリが一番ある。また、味のパンチ力も一番ある。この酒造好適米「豊盃」は、八戸酒造にかなり向いているのではないだろうか、とおもった。

 瓶のラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、原料米 豊盃100%、アルコール分16度、精米歩合55%、製造年月2021年6月」

 酒名「陸奥八仙」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。「中国の故事、酔八仙(八人のお酒の仙人の物語)では、酒仙たちの様々な逸話や興味深い酒の楽しみ方が語られています。飲む方が酒仙の境地で酒を楽しんで頂きたいとの思いを込めて『陸奥八仙』と名付けました」

酒蛙

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