×
メニュー 閉じる メニュー
文化

文化

日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4662】鳩正宗 純米大吟醸 吟烏帽子 TYPE40(はとまさむね)【青森県】

2021.11.18 17:24
青森県十和田市 鳩正宗
青森県十和田市 鳩正宗

【Z料理店にて 全5回の⑤完】

 近所のZ料理店に顔を出す。「うちは居酒屋じゃないんだからね。居酒屋みたいにいっぱいの種類の酒を置いてないんだからね」と言いながらも、予約すると、わたくしが飲んだことがないだろうお酒を数種類さりげなく用意してくれる。その心意気がうれしく、月に1回のペースで暖簾をくぐっている。が、長引くコロナ禍で、かつてない苦しい経営を強いられている。しかし、客としてはどうすることもできず、歯がゆいおもいが募るばかり。せめて定期的に顔を出すしか手立てはない。

「梅乃宿」「浜千鳥」「初孫」「會津龍が沢」と飲み進め、最後5番目にいただいたのは「鳩正宗 純米大吟醸 吟烏帽子 TYPE40」だった。この蔵のお酒は飲む機会が多く、当連載でこれまで、18種類を取り上げている。この蔵のお酒は、主張することなくおとなしい酒質、という印象を持っている。今回はどうか。いただいてみる。

 おおおっ、華やかな吟醸香! これが第一印象だった。メロンと和梨を合わせたような上立ち香・含み香。甘旨み、酸、辛み、それぞれの味がいずれも強めに出ている。中でも甘みが立っている。余韻は辛み。甘酸っぱくてジューシーで、デザート的な味わい。こういう味わいだとモダンタイプに分類されるのだろうが、この酒はモダンタイプの要素を持ちながら、すっきりした部分があるので、クラシックタイプ寄りの味わいがするから面白い。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「アルコール分15度、精米歩合40%、原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、原料米 吟烏帽子100%(青森県産)、製造年月20.11」。

 使用米の「吟烏帽子」開発のいきさつは以下の通りだ。

 青森県の南部地方(太平洋側)はヤマセによる冷涼な気候のため、同じ青森県の津軽地方(日本海側)で生産される「華吹雪」「華想い」といった青森県が開発した酒米がうまく育たない。このため、南部地方の酒蔵から「南部地方でも安定した品質を確保でき、南部地方の酒造会社が地元産米を使った高級酒製造が可能となる新品種がほしい」という要望が出された。

 そこで、地方独立行政法人青森県産業技術センター農林総合研究所水稲育種開発部が、母「山形酒86号(出羽の里)」と父「黒2065(青系155号)」を交配。選抜と育成を繰り返して品種を固定。2018年1月、作付地域や用途を限定して作付けを推奨する「第1種認定品種」に指定された。

 蔵名および主銘柄名「鳩正宗」の由来について、日本の名酒事典は「酒名は、白鳩が飛来してこの屋敷の神棚に舞い降りたことに由来している」と説明している。

酒蛙

関連記事 一覧へ