【4657】月桂冠 純米大吟醸 生詰(げっけいかん)【京都府】

【E居酒屋にて 全3回の③完】
P居酒屋の暖簾をくぐったら、常連ちーたんが飲んでいた。ちーたんと談笑しながら、ジムビームのハイボールをジョッキで2杯ほど飲む。「たまにE居酒屋に行くか?」「いいね」。こういう話はすぐまとまるものだ。ということで直ちにちーたんとE居酒屋に転戦。ここでは日本酒を5種類飲んだが、うち2種類はすでに当連載で取り上げているので、ここでは3種類を掲載する。
「森嶋」「花の香」と飲み進め、3番目にいただいたのは「月桂冠 純米大吟醸 生詰」だった。当連載でこれまで、「月桂冠」を10種類取り上げている。このお酒はイオン限定販売だ。イオンリカーのサイトは、そのコンセプトについて、以下のように説明している。
「日本酒の文化を守るべく、イオンリカーが全国の蔵元とタッグを組み、日本酒全体を盛り上げるために共同開発された純米大吟醸シリーズ。2021年4月現在、14の蔵元の商品をラインアップ化しており、地産全消の考えのもと各地域の酒どころの美味しさを、イオンならではのお求めやすい価格でお届けしています」
さて、いただいてみる。
酒蛙「甘やかな香り。淡麗寄り、辛口酒だね」
ちーたん「艶っぽい香り。和服の女性の後ろ姿を連想する香りだ」(なんという妄想のたくましさ)
酒蛙「フルーティーで、あっという間にキレる」
ちーたん「入口に丸みがあるが、出口のときは鋭角」
酒蛙「俺のコメントと同じ意味だよ。双方、ふくよかで、キレが良い酒ということを言っているんだよ」
ちーたん「舞妓さんの『お粉』のように、まとわりつく感じかな」
酒蛙「いや、違う。キレが良い酒だとおもう。ふくよかな口当たりで、甘みもけっこう出ている」
イオンのホームページは、この酒を「月桂冠総合研究所が独自に育種した『HELOH(ヒーロー)酵母』を使用。華やかな香りが大幅アップした純米大吟醸酒」と紹介。また、イオンリカーのホームページは「洋ナシやリンゴをおもわせるフルーティーな香りを損なうことなく、フレッシュな状態のまま瓶詰した純米大吟醸です」と紹介。同サイトのチャートでは「味わい 辛口、飲み口 淡麗」としている。
イオンリカーのホームページは、この酒に合う料理として「サバの味噌煮、カレイの煮つけのような濃い味付けから、ポテトサラダ、クリームチーズといった洋風の食事ともよく合います」と列記している。
瓶の裏ラベルのスペック表示は「アルコール分15度以上16度未満、原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、精米歩合50%」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念。こだわりの酒造りを標榜しているだけに、非開示は残念だ。
酒名・蔵名の「月桂冠」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。
「当社は、1905年(明治38年)、勝利と栄光のシンボル『月桂冠』を商標登録し酒銘として使いはじめました。当時、自然や地名などをもとにした銘柄が多く用いられていた中で、ハイカラな酒銘として注目を浴びました」