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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4648】刈穂 RESISTANCE MASSIVE 極限辛口 純米にごり生原酒 +27(かりほ)【秋田県】

2021.10.19 16:46
秋田県大仙市 秋田清酒
秋田県大仙市 秋田清酒

【B居酒屋にて 全7回の➁】

 1カ月に1回のペースで足を運んでいるB居酒屋。常時約200種類の酒を置いており、1カ月たてば、冷蔵庫のラインナップがけっこう更新されているので、「日本酒津々浦々」の取材に好都合なのだ。コロナで大苦戦を強いられている様子だが、飲み手としては、すこしでも支援になるよう定期的に通うことしかできない。早くコロナ禍が過ぎ去り、にぎわいを取り戻してもらいたい、と切に願う。

 トップバッター「麒麟山 超辛口 生酒」に続いていただいたのは「刈穂 RESISTANCE MASSIVE 極限辛口 純米にごり生原酒 +27」だった。「刈穂」は飲む機会が多く、当連載でこれまで、18種類を取り上げている。

 超辛口酒としては、日本酒度+25の「刈穂 山廃生原酒 超弩級 気魄の辛口+25」がこれまで、広く知られてきた。今回のお酒の日本酒度は、それを上回る+27。蔵が「限界に挑戦した」と言っている数値で、おそらくこれが日本最辛級のお酒なのだろう。しかし、日本酒度+27の酒を造ってどうするんだ! とおもいたくなる。が、蔵としては、+27を造ってみたかった、ただそれだけなのかもしれない。さて、いただいてみる。 

 たしかに辛い。すごく辛い。しかし超辛口酒にありがちなコルク的な香りがしないのがいい。甘みが少ない。それは当然だろう。糖分を酵母に食わせ切った結果が、この+27なのだから。余韻は辛み、そして余韻の辛みが長い。飲んでいると、余韻はだんだん辛みを増していく。にごり部分がつくりだす“やや旨み”が、辛いだけではない酒にしている。

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。

「刈穂杜氏・齊藤修が独自の醸造法で日本酒の辛さの限界に挑戦した純米酒です。夏は即応予備自衛官、冬は酒造りの二刀流をこなす杜氏が厳しい演習で培った体力と職人魂で醸した極限の辛口。常識に抗う造りで生まれた刈穂RESISTANCE、この酒で匍匐前進のごとく現状を打破!」
「日本酒度+27の超辛口、アルコール度高め・19%の筋金入りの生原酒です。飲み過ぎにご注意ください。飲む際はニゴリ部分を絡めてお召し上がりください。辛さの中に旨味が調和します。ハードな口当たりなので、ジビエなど肉料理によく合います

 裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合60%、アルコール分19度、製造年月2021.2」。

 ところで、瓶のラベルを見たとき、なんて見にくいラベルなんだ、なんてセンスがないんだ、どうにかならなかったものか、と胸の内でブツブル文句をたれたものだった。これについて「矢島酒店」(千葉県船橋市)のサイトは「陸上自衛隊の迷彩柄をデジタル加工したもの」と説明している。これを見たとき、わたくしはのけぞってしまった。

 蔵のホームページによると、酒名「刈穂」は、天智天皇の、後撰集巻6の以下の歌に由来する、と書かれている。

 「秋の田のかりほの庵のとまをあらみ わが衣手は露にぬれつつ」(蔵のホームページに載っている歌の訳:秋の田のほとりの仮小屋にいると屋根を葺いた苫の細目が粗いので、私の衣の裾は露のため濡れている)

 この歌は百人一首の最初の歌という。

酒蛙

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