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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4646】裏陸奥八仙 純米大威吟醸 生(うらむつはっせん)【青森県】

2021.10.15 20:00
青森県八戸市 八戸酒造
青森県八戸市 八戸酒造

 わたくしと仲の良い友人夫妻が、遠路はるばる拙宅に遊びにきた。お土産は彼らが住む土地の地酒「裏陸奥八仙 純米大威吟醸 生」だった。八戸酒造のお酒は飲む機会が多く、当連載でこれまで27種類を取り上げている。「裏陸奥八仙」は、今回が2種類目。それにしても、純米大吟醸の「裏」とはすごい。宅飲み晩酌酒としていただく。

 上立ち香は、完熟果実香で、極めてフルーティー。華やかな吟醸香が鼻腔をくすぐる。含むと、リンゴとメロンに飴のニュアンスが混じった含み香が華やかに広がる。ほのかにガス感があり、グラスの内側にわずかに気泡が付く。フレッシュ感にあふれる。

 味わいでは、甘みが立ち、酸と苦みが一緒になって甘みを追いかける、ややジューシーなイメージ。余韻は苦みがやや強い。分厚い口当たりで、とろみもある。しかし、そのように濃厚な味わいにもかかわらず、キレが非常に良い。

 冷酒のときは酸を感じ、甘酸っぱい味わいだが、温度がすこし上がってくると酸は引っ込み、苦みの存在感が増す。総じて、ゴージャスなニュアンスをまとった甘旨酸っぱい味わいが口の中で広がり、すっとキレる印象のお酒だった。

 ラベルのスペック表示は「原材料名 米 米麹、精米歩合50%、青森県産華想い100%使用、アルコール分16度、製造年月2021年3月」。使用米の「華想い」は、青森県農林総合研究センターが、「山田錦」に匹敵する酒米をつくろう、と1987年、母「山田錦」と父「華吹雪」を交配。選抜と育成を繰り返し開発、2006年に品種登録された酒造好適米。

 ところで、なぜ「裏」を名乗っているのだろうか。これについて、地酒などを販売している「酒の志筑屋」(茨城県石岡市)のサイトは、以下のように説明している。「年に一回数量限定で出荷される『陸奥八仙 純米大吟醸生 華想い50』の『荒走り(最初)と責め(最後)』の部分をブレンドしたのが今回の裏八仙。フルーティーで華やかな香り、口当たり良く広がる旨味。単に綺麗なだけでなく力強く荒々しさのある濃い味わい。いつもの陸奥八仙とは一味違う裏八仙。是非お楽しみください」

 酒名「陸奥八仙」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「中国に古くから伝わる八人の仙人(酔八仙)にまつわる故事があります。それには、酒仙たちの様々な逸話や世俗の有り様など、興味深い酒の楽しみ方や味わい方が語られています。『陸奥八仙』は、この故事から引用し、飲む人が酒仙の境地で酒を楽しんで頂きたいとの思いを込めて名付けた」

酒蛙

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