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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4634】明鏡止水 m’20 純米大吟醸(めいきょうしすい)【長野県】

2021.9.22 16:28
長野県佐久市 大澤酒造
長野県佐久市 大澤酒造

【Z料理店にて 全6回の③】

 近所のZ料理店に顔を出す。「うちは居酒屋じゃないんだからね。居酒屋みたいにいっぱいの種類の酒を置いてないんだからね」と言いながらも、予約すると、わたくしが飲んだことがないだろうお酒を数種類さりげなく用意してくれる。その心意気がうれしく、月に1回のペースで暖簾をくぐっている。が、長引くコロナ禍で、かつてない苦しい経営を強いられている。しかし、客としてはどうすることもできず、歯がゆいおもいが募るばかり。せめて定期的に顔を出すしか手立てはない。

「加賀鳶」「豊明」と飲み進め、3番目にいただいたのは「明鏡止水 m’20 純米大吟醸」だった。大澤酒造のお酒は飲む機会が多く、当連載でこれまで、24種類を取り上げており、うち21種類が「明鏡止水」だ。わたくし行きつけの居酒屋の店主が「明鏡止水」がお好きなためだろう。この銘柄には、旨みがありながらきれい感・落ち着き感・バランスの良さを感じている。いわゆる飲み手を選ばない酒だとおもっている。

 この「mシリーズは」当連載でこれまで「m’12」「m’14」「m’16」を取り上げており、今回で4つ目。「m」の意味について、矢島酒店(千葉県船橋市)のサイトは「明鏡止水の『M』、蔵元・大澤真(まこと)社長の『M』、そして杜氏・大澤実(みのる)の『M』。それぞれの熱き想いが込められたお酒が明鏡止水『M』シリーズです」と説明している。さて、今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 やわらか、やさしい口当たり。上立ち香はほのか、含み香も落ち着いており上品感がある。ふくよかな旨み、まったりとした質感。余韻は辛みで、キレが良い。酸はあまり感じられない。酸嫌いの飲み手に喜ばれるお酒だ。今風の分類をすると、クラシックタイプのミディアムボディか。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合45%、アルコール分16度、おすすめの飲み方 冷して、製造年月2021.03(瓶詰月)、蔵出荷月2021.05」。製造年月と蔵出荷月を分けて表示し、製造年月が瓶詰月を意味することを明記しており、非常に親切な表記だ。ただ、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。

 酒名「明鏡止水」の由来について、「日本の名酒事典」は、「元禄2年(1689)の創業。酒名の“明鏡止水”は、曇りなく磨かれた鏡と静止した水のことで、“心が澄みきって乱れがない”という意味。その意味を酒にだぶらせて、くせがなく飲みやすいという酒質を表すとともに、言葉の響きが美しいことから命名された」と説明している。

酒蛙

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