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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【3096】仙禽 ナチュール UN(せんきん アン)【栃木】

2017.10.15 10:46
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千葉県さくら市 せんきん
千葉県さくら市 せんきん

【日本酒研究会月例会 全6回の③】

 異業種の酒飲み人が月1回、M居酒屋に集う日本酒研究会。研究会とは名ばかりで、単なる飲み会。ちょっとカッコつけて研究会だ。今回は、S、KO、Fが仕事のため欠席、4人での例会となった。

「いづみ橋 とんぼラベル7号 槽場直詰め 無濾過生原酒 生もと」「雪の茅舎 純米吟醸 秘伝山廃 ひやおろし」と飲み進め、店主が3番目に持ってきたのは「仙禽 ナチュール UN」だった。「仙禽」はチャレンジ精神が旺盛な蔵で、その一挙手一投足が全国の酒蔵からの注目を集めている。

 今回のお酒は、ラベルからして、革新的。ダイヤモンドなのか、何を意味するのか分からない。裏ラベルを見ると、すごいことが書かれているようだが、暗いうえ小さい字なので、老眼には判読不能。よって、後日、裏ラベルを撮った写真をパソコンで拡大して読むことにする。近年、薄暗い居酒屋では読めないような小さな字のラベルが多くて困る。若者は読めるのだろうが、年寄りにとっては、はなはだ困る。つまり、裏ラベルを読まず(読めず)、予断を持たず、飲んでみることにする。

 酒蛙「甘旨酸っぱいなあ」

 KI「味がはっきり分かる」

 店主「精米歩合が90%のお酒です」

 酒蛙「わっ、すごい。ほとんどゴハンと同じじゃないか。お酒は、精米歩合が90%とはおもえない綺麗さに、びっくりだ」

 KI「濁酒に近い印象だ」

 酒蛙「スイートデザート的な甘旨酸っぱさだ。これは旨い。酸が非常にユニーク。アプリコット的な甘酸っぱさだ」

 T 「え~~~っ? アプリコット? 何それ? 俺はそうおもわないけど」

 酒蛙「俺はそう感じた。人それぞれ感じ方が違う。アルコール感が弱い感じがする」

 T 「ラベルを見たら14度だってさ」

 酒蛙「納得。15度と16度の違いはあまり感じないが、15度と14度は違いが大きく感じるものだ。だから、今回もアルコール感が弱く感じた。でも、原酒で14度の酒を造るのは技術的に難しいんだそうな」

 さて、小さな字で埋められた裏ラベルを、今回この文章を書くにあたり、パソコンで拡大して読んでみた。そうしたら、「超古代製法」「酵母無添加(蔵付き酵母)」「精米歩合90%」など、極めて刺激的な言葉が散りばめられていた。「精米歩合90%」はすごい。毎日食べているゴハンの精米歩合は約92%。それとほとんど同じ精米歩合ではないか! 精米機が無かった昔は、せいぜい90%台までしか精米できなかった。つまり、「超古代製法」とは、精米歩合90%のことを意味していたのだ。しかし、精米歩合90%と知らされなければ、飲んだだけでは90%だとは絶対に分からない。雑味の無い、きれいな酒に感じた。

 また、「酵母無添加(蔵付き酵母)」もすごい。普通の蔵は、生酛でも山廃仕込みでも、酵母を添加し、アルコールを生産させる。ところが今回の酒は、酵母を添加せず、蔵付き酵母に仕事をしてもらっているのだ。なかなかできることではない。

 また、裏ラベルの表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)。原料米 亀ノ尾(栃木県さくら市産)。精米歩合90%。アルコール度数 14度(原酒)。仕様 超古代製法・酵母無添加(蔵付き酵母)・木桶仕込み・生酛酒母」。原料構成と精米歩合から推察すると、この酒は純米だとおもうが、その表示はどこにも無い。はてさて、なぜ???

 裏ラベルにはこのほか、以下のコンセプトを載せているが、後半部分の意味がさっぱり分からない。自分に酔っているような文章におもえる。読み手のことを考えた文章にしていただきたい。

「自然派。

仙禽ナチュールは、いにしえの技法により復活した自然派日本酒です。完全無添加(米・米麹・水のみ)の世界は、『亀ノ尾』のエネルギーを十二分に引き出し、仙禽唯一無二の世界を創造します。

『ナチュール』という思想は、あらゆる異なるジャンルうの壁を越え、『つながる』事ができます。ヴァン・ナチュールやクラフトビールという異文化ですら、『ナチュール』はつながることができ、すべての『ものづくり』をボーダーレスしていくでしょう」

 なお、「ナチュレ」はフランス語で、英語のナチュラルと同じ。UN(アン)はフランス語で「1」という意味。これから、2、3、4、5とつくっていくんだ、という意思のあらわれ、と受け取った。

酒蛙

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