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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4631】WAKAZE 若勢 ザ・クラシック(わかぜ)【山形県】

2021.9.16 22:04
山形県鶴岡市 ワカゼ(輸入者)
山形県鶴岡市 ワカゼ(輸入者)

【B居酒屋にて 全9回の⑨完】

 1カ月に1回のペースで足を運んでいるB居酒屋。常時約200種類の酒を置いており、1カ月たてば、冷蔵庫のラインナップがけっこう更新されているので、「日本酒津々浦々」の取材に好都合なのだ。コロナで大苦戦を強いられている様子だが、飲み手としては、すこしでも支援になるよう定期的に通うことしかできない。早くコロナ禍が過ぎ去り、にぎわいを取り戻してもらいたい、と切に願う。

「神韻」「マルマス米鶴」「天美」「楽器正宗」「自然郷」「秋鹿」「明鏡止水」「ヤマサン正宗」と飲み進め、最後9番目にいただいたのは、「WAKAZE 若勢 ザ・クラシック」だった。当連載で「WAKAZE」のお酒を取り上げるのは、連載【3913】の「ORBIA 太陽 SOL(オルビア ソル)」に次いで2番目。

「WAKAZE」は、日本酒を世界に売り込もう、と2016年に創業した山形県鶴岡市のベンチャー企業。同社のホームページによると、WAKAZEについて以下のように紹介している。「私たちは現代に寄り添うSAKE造りをしている酒蔵です。日本で修行を積み、パリ近郊に第二の蔵を立ち上げ、世界に向けて『和の風』を発信しています。誰もがどこでも、食事と合わせて、仲間と一緒に、そしてルールにとらわれずに、美味しいお酒を楽しむことができる世界を目指しています」

 2019年には、フランス・パリに醸造所をつくり、同地で日本酒づくりを始めた。今回の酒の瓶ラベルは「アルコール度数13%、原材料名 米(カマルグ産)米麹(カマルグ産米)、原産国名 フランス、製造年月2020年12月」としか書かれておらず、これだけだと、何がなんだかさっぱり分からない。そこで、今回の酒について、多少長くなるが、同社のホームページの紹介文を以下にそのまま転載する。
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 2019年に設立したWAKAZEのフランス・パリ醸造所「KURA GRAND PARIS」の看板商品「THE CLASSIC(ザ・クラシック)」。WAKAZEが初めての方に是非お飲みいただきたい一本です。
 フランスの清酒品評会「KURA MASTER 2020(クラ マスター)」でプラチナ賞を受賞した前作「C'est la vie(セラヴィ)」。より現地に根付く味わいとデザインを目指して新たな一歩を踏み出した「THE CLASSIC」は、WAKAZEのビジョン『日本酒を世界酒に』を体現する1本に仕上がりました。

■食事のシーンを彩るSAKE
 カマルグ米、硬水、ワイン酵母で仕込んだ100%フランス産の清酒。透明感がありスッキリとしたキレの良さと、柑橘を感じる香りが特徴的な1本。和食やアジア料理と合わせたり、アペリティフとしてカルパッチョなどとの相性も抜群。
■フランス産米を使用 挑戦のSAKE造り
 THE CLASSICに使用している米は日本産ではなく、南フランスのカマルグ地方で生産された米を使用しています。
「日本酒を世界酒に」というWAKAZEのVISIONを体現するため、現地の米を使用した醸造を行っています。
■日本とフランスの調和
 ラベルデザインを担当したのは、ロンドンのクリエイティブエージェンシー「OUR FRIENDS」。彼らには実際に醸造所に足を運んでもらい、WAKAZEの造るSAKE、目指す世界を伝え、ブランドメッセージからともに創り上げました。
 JAPANESE REDとFRENCH BLUEが交わり、調和するデザインは「MASTERED IN JAPAN, MADE IN FRANCE」を象徴します。
■100%フランス産、造りへのこだわり
 その土地だからこそ醸せるテロワールを重視したSAKE造りを行うため、原料は「南仏カマルグ地方の米」「現地を流れる水」「現地のワイン造りに使われるBIO規格ワイン酵母」と全て100%フランス産を使用しています。
■日本の伝統を杜氏今井がフランスで醸す
 WAKAZEフランスパリ醸造所の杜氏「今井翔也」。実家は代々続く群馬・聖酒造。 東京大学農学部卒業後に、秋田・新政酒造、富山・桝田酒造店、新潟・阿部酒造などで蔵人として修行を積み、その後WAKAZEの杜氏として新たなSAKEを生み出しています。
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 また、同社サイトでは、「THE CLASSIC」と題し、今回の酒をより詳しく、以下のように紹介している。

「パリ近郊で醸造したSAKE『ザ・クラシック』は、フランスワインのビオ酵母とイル・ド・フランスエリアの硬水を使用して醸造されています。ミネラルをたっぷり含んだこの水は、通常のSAKEとは一線を画した複雑な味わいを生み出します。ミネラルを豊富に含んだこの水は、発酵工程をより複雑にするため、造り手の腕が試され、非常に精密な酒造りが求められます」

 フランス産のコメ、フランスの硬水、フランスワインの酵母を使い、アルコール分はワインと同じ13%、そして日本人杜氏がフランスで醸した日本酒。それを輸入したものが、目の前にある。まさにグローバル。前置きがずいぶん長くなったが、そのユニークなお酒をいただいてみる。

 硬水を使ったというが、やわらかな口当たり。しかし、すっきり感はある。かなり独特な果実感があり、ひとことで例えるならば、シェリー酒の樽で熟成させた日本酒のような香味の酒。わたくしがそう言ったら、店主は「うん、分かる。個性的なお酒ですよね」と同意していた。甘旨みと酸は良く出ているが、辛みはあまり前には出て来なく、エンディングに辛みを感じる。

 味の中では、エッジが効いた酸が際立ち、すっきりした口当たりでキレが良いので、食中酒に適している。アルコール分がワインと同じなので、まさにワイン感覚で食事と合わせられる。

酒蛙

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