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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4630】ヤマサン正宗 純米生原酒 精米90【島根県】

2021.9.14 21:41
島根県出雲市 酒持田本店
島根県出雲市 酒持田本店

【B居酒屋にて 全9回の⑧】

 1カ月に1回のペースで足を運んでいるB居酒屋。常時約200種類の酒を置いており、1カ月たてば、冷蔵庫のラインナップがけっこう更新されているので、「日本酒津々浦々」の取材に好都合なのだ。コロナで大苦戦を強いられている様子だが、飲み手としては、すこしでも支援になるよう定期的に通うことしかできない。早くコロナ禍が過ぎ去り、にぎわいを取り戻してもらいたい、と切に願う。

「神韻」「マルマス米鶴」「天美」「楽器正宗」「自然郷」「秋鹿」「明鏡止水」と飲み進め、8番目にいただいたのは、「ヤマサン正宗 純米生原酒 精米90」だった。「ヤマサン正宗」は当連載でこれまで、5種類を取り上げている。このうち今回の酒は当連載【4484】で取り上げた「ヤマサン正宗 純米生原酒 七号酵母 白ラベル」と同タイプだが、【4484】は精米歩合が70%、今回のお酒は90%だ。

 食べるごはんの精米歩合は一般的に92%と言われている。だから、今回の酒は、裏ラベルにも書かれているように、ごはん並みの精米歩合で醸したお酒ということになる。コメをいっぱい削ると、酒のコストが跳ね上がるので、低精米で美味しい酒ができれば、蔵にとっても消費者(飲み手。低精白だとコストが安くなる)にとっても幸せなことである。さて、いただいてみる。

 仲居さん「強いなあ。濃いなあ。原酒って感じ。上立ち香は古酒的。飲んでしまうと古酒的じゃないけど」
 酒蛙「たしかに“古酒感”がある。新しい酒なのに古酒感があるとは! 濃醇、力強い味わいで、甘みと辛みが出ている。余韻は辛みと苦み。セメダイン香(酢酸エチル)がすこし感じられる。かなりしっかりとした味わい。最初、酸が感じられなかったが、だいぶ飲み進めていったら、酸がほのかに顔を出すようになってきた」

 瓶の裏ラベルは、この酒を「飯米と同じく1割削った酒米で造りました。独特な味わいをどうぞ」と紹介している。

 また、裏ラベルのスペック表示は「アルコール分18度、原材料名 米(島根県産)米こうじ(島根県産米)、精米歩合90%、日本酒度-3.0、原料米 五百万石100%、酵母 7号系、製造年月20.11」。

 酒名「ヤマサン正宗」の「ヤマサン」の由来について、蔵のホームページは以前、以下のように説明していた。「登録商標の『ヤマサン』は、屋号の『三分(歩)市屋』(さん・ぶ・いち・や)からきたと言われています。弊社の瓦にも刻印されています」

 ホームページはリニューアルされ、今は酒名について以下のように説明している。「ヤマサン正宗の『サン』は『三方よし』からきています。『三方よし』は、売り手よし、買い手よし、世間よしを謳った商人の哲学です。飲み手=買い手、私たち製造業者や小売店、飲食店など、酒を生業とする売り手、そして米の生産者である農家、この三者にとって三方よしとなるよう心掛けてきました」

酒蛙

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