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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4597】雄東正宗 純米吟醸 雄町(ゆうとうまさむね)【栃木県】

2021.7.10 15:38
栃木県小山市 杉田酒造
栃木県小山市 杉田酒造

【Z料理店にて 全6回の③】

 近所のZ料理店に顔を出す。「うちは居酒屋じゃないんだからね。居酒屋みたいにいっぱいの種類の酒を置いてないんだからね」と言いながらも、予約すると、わたくしが飲んだことがないだろうお酒を数種類さりげなく用意してくれる。その心意気がうれしく、月に1回のペースで暖簾をくぐっている。今回も「本当に本当に居酒屋じゃないんだからね、あんたのために酒を入れているんじゃないからねっ!」と半ば恫喝的に先制パンチを繰り出したが、むろん演技に決まっている。

「サビ猫ロック」「山本」と飲み進め、3番目にいただいたのは「雄東正宗 純米吟醸 雄町」だった。杉田酒造のお酒は、当連載でこれまで、「雄東正宗」3種類、「鷗樹」4種類、「発光路強力」3種類を取り上げている。さて、いただいてみる。

 やわらかな口当たり。メロン、ナシ、桃を合わせたような独特な含み香。フルーティーな甘み。直前に酸が強い「山本」を飲んだため、舌が「山本」の強い酸を記憶してしまい、「雄東正宗」のファーストアタックでは、酸は出てこなかったが、舌が「雄東正宗」に慣れるにつれ、じわじわと酸が出るようになる。そして、さらに飲み進めていくと、酸を非常に感じるようになり、甘酸っぱい味わいになる。余韻は苦みと辛み。軽快感がややあり、食中酒に向いている、とおもった。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料 米(国産)米こうじ(国産米)、原料米 岡山県産『雄町』100%、精米歩合55%、製造年月2020年2月(瓶詰日)、出荷年月20.12 出荷まで低温貯蔵」。製造年月と出荷年月を分けて表示しているのは親切だし、製造年月を瓶詰日と特定しているのは極めて親切で好感が持てる。多くの蔵が「製造年月 ○年○月」と表示しているが、一般の飲み手には、製造年月の意味が通じないから、今回のような表示は非常にありがたい。

 蔵のホームページは、酒名「雄東正宗」の由来について、「創業当時の銘柄名は『優等正宗』でしたが、品評会で8回連続優等賞を受賞した際に当時の税務署長から『関東』の『英雄』と称えられた事から『雄東正宗』となりました」と説明している。

酒蛙

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