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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4595】サビ猫ロック 赤サビ オルタナ純米 無ろ過 瓶火入53℃【新潟県】

2021.7.5 21:00
新潟県糸魚川市 猪又酒造
新潟県糸魚川市 猪又酒造

【Z料理店にて 全6回の①】

 近所のZ料理店に顔を出す。「うちは居酒屋じゃないんだからね。居酒屋みたいにいっぱいの種類の酒を置いてないんだからね」と言いながらも、予約すると、わたくしが飲んだことがないだろうお酒を数種類さりげなく用意してくれる。その心意気がうれしく、月に1回のペースで暖簾をくぐっている。今回も「本当に本当に居酒屋じゃないんだからね、あんたのために酒を入れているんじゃないからねっ!」と半ば恫喝的に先制パンチを繰り出したが、むろん演技に決まっている。

 最初に選んだのは、お茶目な「サビ猫ロック 赤サビ オルタナ純米 無ろ過 瓶火入53℃」だった。「サビ猫ロック」シリーズは当連載でこれまで、「サビ猫ロック 赤 純米 瓶火入れ53℃」(当連載【2406】)と「サビ猫ロック 黒 純米 無ろ過生原酒」(当連載【2407】)を取り上げている。この蔵のお酒では、「月不見の池」も2種類取り上げている。

 ちなみに「錆猫」(さびねこ)とは「黒・茶の毛がまだらに入りまじった模様の猫。三毛猫と同じく、雄はほとんどいない」(デジタル大辞泉)。ネット情報によると、蔵元さんの愛猫(錆猫、あんこ)がモデルとか。

 瓶の裏ラベルでも「愛猫がモデルの、猫と音楽と日本酒を愛する人々に捧げるオルタナティブ純米です」と紹介している。はて「オルタナティブ」とは??? weblio辞書によると「音楽の分野では『オルタナティブロック』のように、主流なジャンルとは一線を画す新たな音楽の方向性としてオルタナティブという言葉が定着している」とのこと。つまり、トレンディーな主流派の味とは一線を画す純米酒ということだ。噛み砕いて言えば、既成概念にとらわれないロックの魂で醸した純米酒、ということになる。さて、いただいてみる。

 含み香のファーストアタックは、セメダイン(酢酸エチル)似の芳香と若いバナナの香りが一緒になったような香り。最初の1~2口の口当たりにシャープ感あり。次第にやわらかなとろみを感じるようになる。味わいでは、最初のうちは甘みが出ているように感じるが、次第に酸と辛みが出てくる。併せて、旨みがふくらんでいく。余韻は苦み。キレ良し。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原料米 たかね錦100%、精米歩合60%、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、アルコール分15度、製造年月2021.03」。

 使用米の「たかね錦」は長野県立農事試験場が1939年、母「北陸12号」と父「東北25号(農林17号)」(その父は「亀の尾」)を交配。育成と選抜を繰り返し開発、1952年に命名された酒造好適米。新潟ではかつて、吟醸造りに欠かせない酒造好適米として重宝され、鑑評会出品酒などの高級酒に用いられていた。

 裏ラベルには「売上金の一部は動物保護の活動に役立てられます」とも書かれており、蔵元さんが、いかに愛猫家であるかが分かる。

酒蛙

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