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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4588】大倉 山廃純米大吟醸 無濾過生原酒 直汲み 奈良県産ひのひかり(おおくら)【奈良県】

2021.6.20 18:07
奈良県香芝市 大倉本家
奈良県香芝市 大倉本家

【B居酒屋にて 全4回の➁】

 1カ月に1回のペースで足を運んでいるB居酒屋。常時約200種類の酒を置いており、1カ月たてば、冷蔵庫のラインナップがけっこう更新されているので、「日本酒津々浦々」の取材に好都合なのだ。コロナで大苦戦を強いられている様子だが、飲み手としては、すこしでも支援になるよう定期的に通うことしかできない。早くコロナ禍が過ぎ去り、にぎわいを取り戻してもらいたい、と切に願う。

 今回は、酒友Yと二人で暖簾をくぐった。「壬生」「中島屋」「賀儀屋」と飲み進め、4番目にいただいたのは「大倉 山廃純米大吟醸 無濾過生原酒 直汲み 奈良県産ひのひかり」だった。

 大倉本家の酒は当連載でこれまで、「大倉」5種類、「金鼓」4種類を取り上げている。酸が立っている山廃酒、という強い印象を持っている。これはどうか。いただいてみる。

 Y 「旨いっ! 鼻に抜ける感じがいい」
 酒蛙「酸がいい。実にインパクトのあるアタックだ」
 Y 「セメダイン香(酢酸エチルの芳香)があり、旨みもある」
 酒蛙「たしかにセメダイン香似の芳香だ。酸と複雑な旨みたっぷり。非常に引き締まった、凝縮感のある味わい。これは旨い」
 Y 「苦みもあるし」
 酒蛙「うん。苦みと辛みは一緒になっているね。セメダイン香もしくはバナナ香と酸のコラボレーションがいい。もうイケイケワールドだ」
 Y 「そう。アテ無しの、酒だけでも飲める」

 まさに期待通り。酸と複雑な旨みたっぷりの旨酒だった。Yが言った「アテ無しでも飲める」という、まさにそのような酒だった。

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。「しぼり機のふなくちより、無加圧の状態で自然に垂れてきた発酵ガスを含んだままのお酒だけを直に瓶詰めしました。こだわりの『直汲み』です」

 また、各酒屋のサイトは、「蔵元コメント」として、以下の紹介文を掲載している。

「吟香はごく穏やかで嫌味がなく、お食事の邪魔をしない程度です。炊き立ての白ごはんをほうふつとさせる旨味が妙に食欲をそそる感じで、そこにはつらつとした酸味やほのかな渋味、苦味など、山廃仕込みならではの様々な味が複雑に調和して、全体的にはクリアながらも薄っぺらくなく、バランスよくまとまっている印象です。お酒単体でもスルスルイケルし、食中で発揮するポテンシャルを秘めておるものと思われます。あわせる料理や食材によって、お酒の印象が変わって面白いです。幅広い層に幅広いシーンでお楽しみいただける仕上りではないかと存じます」

 裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、原料米 奈良県産ひのひかり100%、精米歩合50%、アルコール分17度、日本酒度+5、酸度2.8、酵母 協会701号、製造年月03.04」。

 使用米の「ヒノヒカリ」は宮崎県総合農業試験場作物部育種科が1979年、母「黄金晴」と父「コシヒカリ」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定。1989年に命名、1990年に種苗法登録された主食用米。人気品種のひとつで、デビュー以来、品種別作付面積では常に上位につけている。

酒蛙

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