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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4587】賀儀屋 無濾過 純米吟醸 生原酒 松山三井50 限定番外編 直汲 タンク番号4(かぎや)【愛媛県】

2021.6.18 18:20
愛媛県西条市 成龍酒造
愛媛県西条市 成龍酒造

【B居酒屋にて 全4回の①】

 1カ月に1回のペースで足を運んでいるB居酒屋。常時約200種類の酒を置いており、1カ月たてば、冷蔵庫のラインナップがけっこう更新されているので、「日本酒津々浦々」の取材に好都合なのだ。コロナで大苦戦を強いられている様子だが、飲み手としては、すこしでも支援になるよう定期的に通うことしかできない。早くコロナ禍が過ぎ去り、にぎわいを取り戻してもらいたい、と切に願う。

 今回は、酒友Yと二人で暖簾をくぐった。まず当連載【4391】の「壬生 純米吟醸 無濾過原酒」(2020年10月飲)と【4504】の「中島屋 純米 五年熟成」(2021年2月)を飲む。ともに、初めて飲む酒だとおもって飲んだのだが、つい先だって飲んだばかりなことが後日判明。除外することにした。わたくしの記憶の衰えは危機的状況かもしれない。自虐的に言えば「アルコール性健忘症」か。嗚呼。

 3番目に飲んだのは「賀儀屋 無濾過 純米吟醸 生原酒 松山三井50 限定番外編 直汲 タンク番号4」だった。これも当連載【3408】で取り上げた「賀儀屋 純米吟醸 無濾過生原酒 松山三井50 番外編」と同じかもしれないが、取り上げてから丸3年が経過しているので、あらためて取り上げることにする。さて、いただいてみる。

 酒蛙「ほうほう、酸を感じるね。酸がいいね」
 Y 「そうそう、これこれ。やっと酸が出ている酒が来たよ。酸と旨みを感じるよ」
 酒蛙「この酸、いいね。旨みはほどほど。軽快感があり、余韻は苦みと辛み」
 Y 「コシアブラ(山菜)の天麩羅と合うね」
 酒蛙「ウドの天麩羅とも合うよ。ともにウコギ科の山菜だ」
 Y 「苦みのある料理と合うね。このお酒、アテ無しの、酒だけでもいいね」
 酒蛙「甘みもけっこう出ているが、くどくはならず、さっぱりした口当たり。これは酸の影響なんだろうな」

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。「通常は同スペックのお酒をある一定期間熟成させ、最後にブレンドして味を整えていく伊予賀儀屋において『生まれたての個性を楽しみたい』という皆様の声を受け、蔵にお越し頂いた方自らが利き酒をし、ブレンド前の一本を限定センバツしたお酒です。日に日に熟成向上していくお酒の表情や個性を気長にお楽しみ頂ければ幸いです」

 裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、使用米 愛媛県産松山三井100%、精米歩合50%、アルコール分17.5℃、製造年月2021.4」。

 使用米の「松山三井」は、愛媛県農事試験場が、母「近畿25号」と父「大分三井120号」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定、1953年に命名された主食用米。食味が良いことから一時期、作付面積が全国1位だったこともある。しかし、大粒で粘りがすくないことから次第に衰退していった。しかし、大粒でタンパク質が少なく砕けにくい、という性質は、醸造用米としては最適。このため近年、醸造用米として注目され、いま“第二の人生”を歩んでいる。

 この蔵の銘柄は「賀儀屋」と「御代栄」の2枚看板。「賀儀屋」の由来について、蔵のホームページは、以下のように説明している。

「鍵屋本家9代当主、首藤鹿之助によって酒造りはこの地で始まりました。江戸から明治へ時代が大きく変わり、人も同時に大きな変革を迎えた頃です。創業以前は地元庄屋さんの米蔵の鍵を預かる仕事を代々しておりましたが庄屋制度廃止に伴い、この家業が誕生しました」

 また、蔵のホームページは「蔵元屋号から命名された伊予賀儀屋」と説明している。つまり、鍵を扱う仕事をしていたから屋号が「鍵屋」。それが「賀儀屋」に転じた、というわけだ。

酒蛙

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