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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4583】鷹来屋 特別純米 辛口 手造り槽しぼり(たかきや)【大分県】

2021.6.10 21:28
大分県豊後大野市 浜嶋酒造
大分県豊後大野市 浜嶋酒造

【E居酒屋にて 全8回の⑤】

 E居酒屋で日本酒研究会の月例会を開いており、毎月6種類の酒を飲んでいる。しかし、月例会用の酒とは別に冷蔵庫には新たな酒が入る。E居酒屋のママは頃を見計らって連絡をくれる。「冷蔵庫のお酒の入れ替えしたので、ご都合の良いときにいらっしゃい」。ということで、連絡をもらったわたくしは、おっとり刀で駆けつけた。今回も、人並み以上の嗅覚を発揮する酒友ちーたんにテイスティングしてもらった。

「長門峡」「月桂冠」「天明」「澤屋まつもと」と飲み進め、5番目にいただいたのは「鷹来屋 特別純米 辛口 手造り槽しぼり」だった。実は、カウンターの別のお客さんが、これを飲んでいた。「鷹来屋」の赤ラベルはまだ飲んだことがなかったよな、と記憶を呼び起こし、「あ、それ、俺も飲む!」。やや前のめりに注文した。ま、よくある話ではある。

「鷹来屋」はよく飲んでいるイメージだったが、当連載でこれまで取り上げたのは5種類だけ。意外に少なくてびっくり。さて、いただいてみる。驚いたことに、店はこの酒を常温管理(室温管理)していた。聞き忘れたけど、ナニカ理由があるのだろう。

 酒蛙「セメダイン的香り(酢酸エチル似の芳香)もしくはバナナ的な香りを感じる。辛口だけあって、さすがに辛みを感じる」
 ちーたん「香り華やか。幅のある花びらの、大輪の花の香り」
 酒蛙「やさしい口当たりで、辛みの奥に、旨みを感じる。単に辛いだけの辛口ではなく、旨みをともなう辛口なのが好ましい」

 なんとなく燗上がりがしそうな酒だったため、ちろりに熱湯を入れてもらう。湯温計を使いながら、40℃(ぬる燗)にし、いただいてみる。

 ちーたん「香りは変わらない。酸がいいね。美味しい」
 酒蛙「辛みと酸が出てきた」
 ちーたん「甘みが控えめに感じられるようになってきた」
 酒蛙「同感」
 ちーたん「夏の暑いときでも、この燗酒は美味しいかも。酸がいいね」
 酒蛙「うん、酸が良くて辛口系だから、飲み飽きしないお酒だよ。食中酒に最適だ」

 蔵のホームページはこの酒を以下のように紹介している。「レギュラーの特別純米酒の数あるモロミの中から、より最良の元気の良いモロミを選び、発酵を進ませ辛口にもって行った酒です。レギュラーの特別純米酒の味を持たせながら、シャープに切れるスマートな酒です。油料理などのもたつきをサッと洗い流してくれる酒です。冷やしてからぬる燗までがおすすめです」

 ホームページで公表しているこの酒のスペック表示は「麹・原料米 山田錦、掛・原料米 ヒノヒカリ、麹・精米歩合50%、掛・精米歩合55%、アルコール度15.5%、日本酒度+10、酸度1.5、使用酵母 協会9号」。

 使用米の「ヒノヒカリ」は宮崎県総合農業試験場作物部育種科が1979年、母「黄金晴」と父「コシヒカリ」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定。1989年に命名、1990年に種苗法登録された主食用米。人気品種のひとつで、デビュー以来、品種別作付面積では常に上位につけている。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合55%、アルコール分16度、製造年月2.12」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。

 酒名「鷹来屋」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。「明治22年〈1889年〉初代浜嶋百太郎が緒方町下自在において造り酒屋を創業。当時鷹が浜嶋家によく飛来してきていたことから、屋号を『鷹来屋』とする」

酒蛙

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