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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4582】澤屋まつもと 守破離 忘年会 うすにごり 生(さわや しゅはり)【京都府】

2021.6.8 17:49
京都府京都市伏見区 松本酒造
京都府京都市伏見区 松本酒造

【E居酒屋にて 全8回の④】

 E居酒屋で日本酒研究会の月例会を開いており、毎月6種類の酒を飲んでいる。しかし、月例会用の酒とは別に冷蔵庫には新たな酒が入る。E居酒屋のママは頃を見計らって連絡をくれる。「冷蔵庫のお酒の入れ替えしたので、ご都合の良いときにいらっしゃい」。ということで、連絡をもらったわたくしは、おっとり刀で駆けつけた。今回も、人並み以上の嗅覚を発揮する酒友ちーたんにテイスティングしてもらった。

「長門峡」「月桂冠」「天明」と飲み進め、4番目にいただいたのは「澤屋まつもと 守破離 忘年会 うすにごり 生」だった。「澤屋まつもと」は、当連載で10種類を取り上げている。酸が立つしっかりした味わいの酒、というイメージを持っている。今回の酒はどうか、いただいてみる。

 酒蛙「おーっ!!! セメダイン香(酢酸エチル似の芳香)のような、バナナのような、さわやかな香りがずいぶん出ている」
 ちーたん「おーっ!!! マスカット系の香りだ。キンセンカの香りもおもわせる。苦みが、すっきり感を演出している」
 酒蛙「甘旨酸っぱい。さわやかなお酒だ。酸がさわやか綺麗で、いい!!!」
 ちーたん「10代後半の女性をおもわせる酒だ」
 酒蛙「いやあ、旨いなあ」
 ちーたん「美味しいね」
 酒蛙「甘・旨・酸・苦が素晴らしい。特に甘がいい。特に酸がいい。アルコール分が14度なので、実に飲みやすい」

 わたくしたちに大好評のお酒だった。

 瓶のラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、原料米 五百万石100%、アルコール分14度、製造年月(瓶詰年月)20.11、出荷年月20.12」。製造年月と出荷年月を分けて表示しているのは親切だし、何より「製造年月」(瓶詰年月)」というように、製造年月の説明をしているのは素晴らしい。ラベルに製造年月の表示が義務付けられているが、実は世間一般的には「製造年月」は分かりにくい。それをきちんと説明しており、わたくしは高く評価したい。ただ、特定名称酒の区分がされていないのは残念だ。飲み手(買い手)にとって、特定名称酒の区分は必要だとわたくしはおもうからだ。

 酒名「忘年会」の意味について、地酒通販「佐野屋」のサイトは以下のように説明している。

「コロナ禍において、これまでのように皆でワイワイ盛り上がるということが叶わなくなりました。そこで、せめてそれぞれの環境でお酒だけでも飲んで楽しんで貰えればという思いで商品名を『忘年会』とされました。『松本酒造』の杜氏、日出彦さんから、『お疲れ様でした』というメッセージが込められています」

 また、酒名「守破離」の意味について、同じく佐野屋のサイトは以下のように説明している。

「京都伏見の『澤屋まつもと』の大人気商品『守破離(しゅはり)』。
・『守』=澤屋まつもとの伝統を守ること。
・『破』=守を破り、他で学んだことを実践すること。
・『離』=守と破を大切に、そこから離れて新境地を造る事。
 もともとは茶道、武道、芸術等における師弟関係のあり方や、その道を極める精神を表した言葉です。『澤屋まつもと』の松本日出彦杜氏は、愛知県名古屋市の『醸し人九平次』の萬乗醸造で酒造りの修行を積んだ経験があり、『醸し人九平次』の佐藤彰洋杜氏とは師匠と弟子の関係にあたります。その後、日出彦さんは実家である松本酒造に戻り、自らの蔵の伝統を守る酒造りを行う一方、萬乗醸造で学んだこれまでの『澤屋まつもと』にはない酒造りに挑戦。両者の酒造りを知る日出彦さんにしか造ることが出来ない『澤屋まつもと』でも『醸し人九平次』でもない新しいお酒がこの『守破離』というお酒です」

 酒名「澤屋まつもと」の由来について、静岡県田方郡函南町の酒屋さん丸屋酒店のサイトは「酒名の酒は古い暖簾『澤屋』と名字の「松本」に由来します」と説明している。

酒蛙

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