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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4570】川鶴 讃岐くらうでぃ(かわつる さぬき)【香川県】

2021.5.15 22:09
香川県観音寺市 川鶴酒造
香川県観音寺市 川鶴酒造

【B居酒屋にて 全8回の①】

 1カ月に1回のペースで足を運んでいるB居酒屋。常時約200種類の酒を置いており、1カ月たてば、冷蔵庫のラインナップがけっこう更新されているので、「日本酒津々浦々」の取材に好都合なのだ。今回は、人並み以上の嗅覚を発揮する酒友ちーたんに同席してもらった。

 トップバッターに選んだのは「川鶴 讃岐くらうでぃ」だった。店長か仲居さんが「アルコール6%のお酒」と教えてくれたので、トップバッターには低アルコール酒が適切だろう、という判断だった。川鶴酒造のお酒は当連載でこれまで、13種類を取り上げている。「川鶴」には、酸と旨みが良く出ているしっかりした味わいの酒、というイメージを持っている。

 今回のお酒は、外観がすべからくあやしい。ラベル絵のニワトリ2羽があやしい。酒名「くらうでぃ」があやしい。そしてアルコール分6%があやしい。じっさいは、予備知識無しでいきなり飲んだのだが、記事を書くにあたり、この酒が誕生したいきさつを、ネット情報をもとに簡単にまとめておく。

 香川県丸亀市には、「骨付鳥」という郷土料理がある。もともと養鶏が盛んだった同市ゆえの料理だ。骨付き鶏肉をニンニクとスパイスで味付けしてオーブンや釜でじっくり焼いたもので、とても香ばしくしっかりした味わいのある料理とのこと。この料理を広めたい丸亀市は川鶴酒造に「『骨付鳥』に合う酒を開発してほしい」と依頼した。つまり、「骨付鳥」の“お供酒”のオファーが川鶴酒造にあったのだ。

 それまで「骨付鳥」は、ジョッキのビールと合わせるケースが多かったため、ジョッキでぐいぐい飲める日本酒を考え、ビール並みのアルコール分6%に設定したとのこと。クリーミーな口当たりにするため、にごり酒にした。酒名「くらうでぃ」は「Cloudy」(曇り)の意味で命名した。にごり酒はじっさい、英語で「Cloudy Sake」というとのこと。

 さらに、味の濃い肉料理には酸が強いアルコールが合う、ということで、酸の強い日本酒を設計した。その結果、普通の酒の3倍の麹を使用。しかも焼酎を醸すときに使う白麹(日本酒には黄麹)にすることで甘酸っぱい味わいを強調した。以上が、このお酒が誕生した経緯だ。さて、これらの経緯を知らないでいきなり飲んだわたくしたちの感想は、以下の通り。

 店長「ジュースだ」
 ちーたん「香りがカルピス」
 酒蛙「乳酸の酸っぱさを強く感じる。酸が強い。甘みも出ており、非常に甘旨酸っぱい」
 仲居さん「カルピスサワーみたい」
 ちーたん「ひな祭りの白酒をおもわせる。クリーミー。飲むヨーグルトみたい」
 酒蛙「味が白濁リンゴジュースをおもわせるフルーティーさ。キレ良し」
 ちーたん「女性が好きかも。身体がきれいになりそうだ」
 酒蛙「旨みがあるけど、くどくなく軽快。爽やかなお酒だ」

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。「麹を3倍使用(当社比)して生まれた低アルコールの日本酒です。麹の旨みとフルーティーな吟醸香とクリーミーで甘ずっぱい爽やかな味わい。肉料理のジューシーでスパイシーな味わいによく合います。ロックスタイルがおすすめです」

 裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)醸造アルコール、アルコール分6%」。特定名称酒の区分は開示していないが、額面通り受け取れば、普通酒ということになる。

 酒名および蔵名「川鶴」の由来について、蔵のホームページは「『川鶴』という銘柄は初代川人清造が蔵の裏に流れる財田川に舞い降りた華麗な鶴 の姿を夢間に見たことから名付けられました」と説明している。

酒蛙

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