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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4549】日輪田 純米 生酛 しぼりたて 生原酒(ひわた)【宮城県】

2021.4.22 23:24
宮城県栗原市 萩野酒造
宮城県栗原市 萩野酒造

【B居酒屋にて 全7回の⑤】

 1カ月に1回のペースで足を運んでいるB居酒屋。常時約200種類の酒を置いており、1カ月たてば、冷蔵庫のラインナップがけっこう更新されているので、「日本酒津々浦々」の取材に好都合なのだ。今回は、人並み以上の嗅覚を発揮する酒友ちーたんに同席してもらった。

「風の森」「綿屋」「田中六五」「賀儀屋」と飲み進め、5番目にいただいたのは「日輪田 純米 生酛 しぼりたて 生原酒」だった。萩野酒造のお酒は、わたくしの口に非常に合う。旨みと酸を感じるなかで、とくに苦みを強く感じる印象を持っている。萩野酒造は「萩の鶴」と「日輪田」の2枚看板(銘柄)を持っており、当連載でこれまで、34種類を取り上げている。

 これまでは、速醸の「萩の鶴」、山廃仕込みの「日輪田」と造り分けてきたが、令和2酒造年度から、「日輪田」は全量生酛(きもと)仕込みとなった。今回のお酒は、その記念すべき生酛第1号ということになる。さて、いただいてみる。うすにごりだった。

 酒蛙「含み香は、和ナシの香りみたい」
 ちーたん「和ナシ、分かるよ」
 酒蛙「ガスの微発泡感あり。キレ良し。終わりの苦みがいいな」
 ちーたん「そうそう。すっきり、さっぱりとした飲み口。苦みを感じる」
 酒蛙「これ、旨いよ! 甘旨酸っぱさに苦みがプラスされたような複雑で深い味わい。後味は辛み。ジューシー。酸と苦みが全体を引き締めている。ミディアムボディで、品のある自然体、というイメージ。これは旨い」

 瓶の裏ラベルは、この酒と酒名を以下のように紹介している。

「日輪田(ひわた)とは古代神に捧げる穀物を育てたまるい田のこと。そしてお日様と田んぼの恵みを皆で輪になって楽しんで欲しいという願いも込められています。
生酛(きもと)は古くからの伝統製法で、多くの時間と労力を要します。多様な微生物同士のせめぎ合いを巧みに利用し、熾烈な生存競争を生き残った強靭な酵母によって力強く深い味わいが醸し出されます」

 裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合60%、アルコール分17度、製造年月2021.2」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。

 この蔵の、もう一方の主力銘柄「萩の鶴」の由来について、蔵のホームページは、以下のように説明している。

「ここ金成有壁(かんなりありかべ)は、その昔『萩の村』と呼ばれていました。その名の通り萩の花の美しさで知られ、今でもたくさんの萩が見られます。そこから『萩』をとり、縁起のよい『鶴』と組み合わせて名付けました。昔から地元で幅広く愛されてきた当蔵の中心銘柄で、宮城らしいキレイでスッキリとした飲み飽きのしない酒質を目指します。味の濃すぎない上品な和食や、クセの強過ぎない新鮮な海の幸等と合わせて欲しいお酒です」

酒蛙

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