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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4548】賀儀屋 初仕込 壱番搾り 純米 生原酒 しずく媛(かぎや)【愛媛県】

2021.4.21 15:12
愛媛県西条市 成龍酒造
愛媛県西条市 成龍酒造

【B居酒屋にて 全7回の④】

 1カ月に1回のペースで足を運んでいるB居酒屋。常時約200種類の酒を置いており、1カ月たてば、冷蔵庫のラインナップがけっこう更新されているので、「日本酒津々浦々」の取材に好都合なのだ。今回は、人並み以上の嗅覚を発揮する酒友ちーたんに同席してもらった。

「風の森」「綿屋」「田中六五」と飲み進め、4番目にいただいたのは「賀儀屋 初仕込 壱番搾り 純米 生原酒 しずく媛」だった。「賀儀屋」は飲む機会が多い酒で、当連載でこれまで、12種類を取り上げている。今回の酒は、ちょうど4年前に取り上げた「賀儀屋 純米 生原酒 しずく媛 初仕込壱番しぼり」(当連載【2879】)と同じだが、年数がたっているので再び取り上げることにする。

 ちーたん「わーっ! 一本咲きの花の香りだ」
 酒蛙「おおおっ、酸が強い、強い。旨酸っぱい。そして、キレがめちゃくちゃ良い」
 ちーたん「この酸は、例えるならなんだろう」
 酒蛙「ハッサクのような酸。あと苦みもあるね。甘みと旨みは適度だが軽め。旨みに凝縮感があり、ジューシー」
 ちーたん「そうそう。いろんな苦みが感じられる。香りに北国を感じる」
 酒蛙「蔵は愛媛県だよ」
 ちーたん「感じたまま言っているんだから!」
 酒蛙「飲んでいたら、ハッサクより旨みがあるように感じてきた」
 ちーたん「ジューシーだね」
 酒蛙「余韻は酸。全く飲み飽きしない酒だ。食中酒に最適だ。『賀儀屋』というとフルボディのイメージがあるが、これは『賀儀屋』にしては非常に軽快だ。エンディングにちらりと甘みが顔をのぞかせる」

 瓶の裏ラベルは、この酒のコンセプトを以下のように紹介している。

「極寒の冬、数ある全てのお酒を同じ気持ちで醸していく中で、一番最初というのはやはり特別です。このお酒には初仕込独特の緊張感と希望、お酒造りが出来る喜びや感謝など私達の想いが全て詰まっています。この『初仕込酒』は愛媛発の酒米『しずく媛』と愛媛の新酵母『EK-7』から生まれたこの年最初の雫だけを限定瓶詰。爽やかな香り、スッキリとした後口、そして熟成向上していく、はじまりの雫を心ゆくまでお楽しみ下さいませ」

 裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、使用米 愛媛県産しずく媛100%、精米歩合60%、アルコール分16.5度、R2BY、製造年月2021.3」。

 使用米の「しずく媛」は愛媛県農林水産研究所農業研究部が1999年、酒造好適米「松山三井」の細胞培養による突然変異株を得、育成と選抜を繰り返し開発。2010年に品種登録された新しい酒造好適米だ。

 この蔵の銘柄は「賀儀屋」と「御代栄」の2枚看板。「賀儀屋」の歴史について、蔵のホームページは、以下のように説明している。

「鍵屋本家9代当主、首藤鹿之助によって酒造りはこの地で始まりました。江戸から明治へ時代が大きく変わり、人も同時に大きな変革を迎えた頃です。創業以前は地元庄屋さんの米蔵の鍵を預かる仕事を代々しておりましたが庄屋制度廃止に伴い、この家業が誕生しました」

 また、蔵のホームページは「賀儀屋」の由来について「蔵元屋号から命名された伊予賀儀屋」と説明している。つまり、鍵を扱う仕事をしていたから屋号が「鍵屋」。それが「賀儀屋」に転じた、というわけだ。

酒蛙

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