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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4536】玉川 にごり酒(たまがわ)【京都府】

2021.4.9 15:43
京都府京丹後市 木下酒造
京都府京丹後市 木下酒造

【E居酒屋にて 全6回の③】

 E居酒屋で日本酒研究会の月例会を開いており、毎月6種類の酒を飲んでいる。しかし、月例会用の酒とは別に冷蔵庫には新たな酒が入る。E居酒屋のママは頃を見計らって連絡をくれる。「冷蔵庫のお酒の入れ替えしたので、ご都合の良いときにいらっしゃい」。ということで、連絡をもらったわたくしは、おっとり刀で駆けつけた。尋常ではないほど鋭い嗅覚の持ち主・ちーたんに同席を願い、一緒にテイスティングした。

「徳次郎」「上喜元」と飲み進め、3番目にいただいたのは「玉川 にごり酒」だった。「玉川」は当連載でこれまで、6種類を取り上げている。高名な地酒のわりに取り上げる種類数が少ないのは、わたくしの中に「玉川は、甘みの立つ重厚超濃醇酒」というイメージが強いのかもしれない。さて、いただいてみる。

 ちーたん「すっきりとした上立ち香。う~ん、お雛様の白酒みたい。甘酒じゃなくてね」
 酒蛙「意外にすっきりとした口当たり。『玉川』のにごりというと、フルボディ超濃醇酒を想像していたが、真逆だった。ふくよかで厚みはあるが、さわやか感があり、キレが非常に良い。飲みやすい」
 ちーたん「にごりの割に、食べ物の邪魔をしない。魚、肉、発酵食品、野菜…何にでも合う」
 酒蛙「甘みが適度に出ており、フレッシュ感もあり、いかにも『にごり』という味わい。余韻は辛み。アルコール感がややある」

 蔵のホームページはこの酒を以下のように紹介している。

「造り始めから手抜きせず、丁寧に造った『しぼりたて』の姉妹商品。スッキリした味わいで軽快に呑めるにごり酒です。これまでのにごり酒は重くて苦手と感じていた方には、このフレッシュ感を新鮮に感じていただけるはずです。『しぼりたて』は完全な生酒ですが、この『にごり酒』は火入れ商品のため開栓時に噴き出す心配がなく、振ってから封を切って呑んでいただけます。また、振る前に上澄みの部分だけ味見をし、振ったあと、オリが混ざってからの味の違いを較べるのも楽しいものです」

 瓶のラベルのスペック表示は「アルコール分18度、原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)醸造アルコール、製造年月20.11」。瓶のラベルでは特定名称酒の区分表示が無いが、蔵のホームページでは「分類 本醸造」と公表している。このほか、蔵のホームページで開示しているスペックは「麹米:五百万石(京都府、兵庫県)、掛米:日本晴、他(京都府、兵庫県)、精米歩合65% 68%」

 掛米に使われている「日本晴」は愛知県農業試験場が1957年、母「ヤマビコ」と父「中新110」を交配、育成と選抜を繰り返し開発。1963年に命名され、一世を風靡した飯用米品種(主食用米品種)だ。

 酒名「玉川」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「玉川は天保13年(1842年)、京丹後久美浜の地で創業しました。玉川という名前の由来は蔵のすぐ隣に川上谷川という川があり、玉砂利を敷き詰めた感の、清流であったそうです。当時、川や湖を神聖視する習慣もあり、玉(とてもきれいな)のような川というところから、玉川と命名されました。以来この地で綿々と酒造りに励んでいます」

酒蛙

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