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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4508】御慶事 純米吟醸 雄町(ごけいじ)【茨城県】

2021.3.11 15:22
茨城県古河市 青木酒造
茨城県古河市 青木酒造

【B居酒屋にて 全7回の⑥】

 1カ月に1回のペースで足を運んでいるB居酒屋。常時約200種類の酒を置いているから、「日本酒津々浦々」の取材に好都合なのだ。コロナ休業のあと営業を再開したものの、なかなか客が戻らない様子。飲み手としては、すこしでも支援になるよう定期的に通うことしかできない。早くコロナ禍が過ぎ去り、にぎわいを取り戻してもらいたい、と切に願う。

「〆張鶴」「中島屋」「九尾」「風の森」「鶴齢」と飲み進め、6番目に選んだのは「御慶事 純米吟醸 雄町」だった。なんともおめでたく、なんともユニークな名のこのお酒は、当連載でこれまで、「御慶事 純米吟醸 ひたち錦」(当連載【2428】)と「御慶事 純米吟醸 しぼりたて 生酒」(当連載【4232】)の2種類を取り上げている。いずれも東京のP居酒屋と、東京のS居酒屋で飲んだものだ。当地で飲むのは、これが初めてだ。

 仲居さん「(試飲し)冷酒でも美味しいけど、熱燗にしてみたいお酒だ」
 カウンター隣席の六角精児似の客「味がありますね。主張していますね」
 酒蛙「穏やかで上品な果実香。軽快感あり。やわらかで、甘みと旨みと酸が出て、モダンタイプのうちライトボディに属する酒。これは美味しい」

 冷酒でとても美味しいお酒だったが、仲居さんのリクエストにこたえ、熱燗50℃で飲んでみたら、味のしないお湯みたいな味わいで、好ましくなかった。

 珍しく、瓶の表ラベルに、この酒の紹介文が掲載されている。以下に転載する。「一時は生産の難しさから栽培量が減少し『幻の酒米』とまでいわれた『雄町』。様々な酒米のルーツとなるこの米は江戸時代に育成が開始された後、今では現存する混血のないただ一つの品種です。その特徴は、芳醇で奥深さのある味わいと米の甘さと酸味の調和。御慶事らしい綺麗でしっかりとした味わいを感じつつも、雄町らしさも感じられる、そんなお酒を目指して杜氏が心を込めて造りました」

 蔵のホームページは、この酒を以下のように紹介している。

     ◇

■御慶事 純米吟醸 雄町
 御慶事の純米吟醸は、『ひたち錦』と『ふくまる』を使用米としておりますが、もともと収穫量のあまり多くない品種であることから現在通年での販売が難しく、お客様には大変ご迷惑をおかけしております。
 そこで2017年より、岡山を代表する酒造好適米『雄町」を使用した純米吟醸を、当蔵の新たなラインナップに加えました。穏やかな香りと、甘みと酸味が調和した、果実のようなジューシーな味わいが特徴です。
 岡山県産『雄町』で醸された日本酒の出来栄えを競うコンテストで3年連続優等賞を受賞した、当蔵が自信を持ってお薦めする純米吟醸です。

■受賞歴
 『第11回雄町サミット』吟醸酒の部 優等賞 (2019年)

■JAL機で使用
 世界最大規模の市販酒鑑評会『SAKE COMPETITION 2019』にて、『JAL空飛ぶSAKE賞』を受賞した『御慶事 純米吟醸 雄町』が、 JAL(日本航空)の国際線ビジネスクラスにて(2020年)9月から提供されております。

     ◇

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、アルコール分16度、精米歩合 玄米100%―(精米)→使用白米50%、使用米 岡山県産雄町100%使用、使用酵母 AOK-1、杜氏 箭内和広、製造年月20.11」。また、裏ラベルには、酒質を以下のように紹介している。「雄町の旨みをいかしつつ、抜群の透明感です。お食事を引き立てるさわやかな香りと味わいです」

 ところで、なぜこのようなおめでたい酒名をつけたのか。それについて蔵のホームページは以下のように説明している。

「青木酒造は天保2年(1831年)十一代将軍家斉の時代に現在地である茨城県西部渡良瀬川と利根川の交わる古河に創業し、キレの良い関東人好みの酒を作り続けてまいりました。清酒御慶事は三代目当主が大正天皇御成婚の折、皇室の繁栄と日本の国のますますの隆盛への願いを込めて『最高のよろこびごと』という意味で『御慶事』と命名したのです。古河で唯一の地酒として地元をはじめ、広く愛飲されております」

酒蛙

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