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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4505】九尾 純米吟醸 槽搾り 無濾過生原酒 夢ささら/とち酒14(きゅうび)【栃木県】

2021.3.8 22:16
栃木県大田原市 天鷹酒造
栃木県大田原市 天鷹酒造

【B居酒屋にて 全7回の③】

 1カ月に1回のペースで足を運んでいるB居酒屋。常時約200種類の酒を置いているから、「日本酒津々浦々」の取材に好都合なのだ。コロナ休業のあと営業を再開したものの、なかなか客が戻らない様子。飲み手としては、すこしでも支援になるよう定期的に通うことしかできない。早くコロナ禍が過ぎ去り、にぎわいを取り戻してもらいたい、と切に願う。

「〆張鶴」「中島屋」と飲み進め、3番目に選んだのは「九尾 純米吟醸 槽搾り 無濾過生原酒 夢ささら/とち酒14」だった。天鷹酒造のお酒は、当連載でこれまで「天鷹 心 純米大吟醸」(当連載【784】)1種類だけを取り上げている。

「九尾」は、「天鷹」の新しいブランド。これについて、蔵のホームページは以下のように説明している。

「『九尾の狐』は栃木・那須地区に伝わる伝説の霊獣であり、時には美女に姿を変えて人を魅了したといわれています。
【九尾】もその時々に姿を変えて違う姿を現します。
 今まで試したことのない原料米・精米歩合・酵母・醸し方……。手にする人に新しい出会いのワクワクをお届けします。
 私たち造り手もまた新しい挑戦への喜びがある、【九尾】はそんなお酒です」

 ひとことで言えば「九尾」は、チャレンジ銘柄なのである。また、わたくしはラベルの絵を見て、ニワトリだとおもい、「なぜ酒ラベルにニワトリがあしらわれているのだろう???」と不思議におもっていた。蔵のホームページを見て「九尾」の意味とラベル絵がキツネであることを知った。酒屋さんでいきなりこの酒を買う人は「ニワトリ絵」と間違う人がほとんどだろうから、ここは裏ラベルにキツネであることを明記すべきだとおもう。さて、いただいてみる。

 先にお酒に口をつけた仲居さんが「おおおっ、甘い」と声に出した。どれどれ、とわたくしもいただいてみる。たしかに甘い。甘みに酸もある。甘旨酸っぱくてジューシー。さまざま出ている味の中でもやはり、甘みが一番出ている。余韻の辛みと苦みがアクセントになっている。やわらかな果実香、ふくよかな口当たり。これはもしかして、モダンタイプのライト~ミディアムボディの辺りを狙ったチャレンジ酒なのではないか、とおもった。さまざまなことに大いに挑戦していただきたい。今後の健闘を期待したい。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、アルコール分17度、精米歩合55%、原料米 麹米20%(夢ささら/100%使用 精米歩合55%) 掛米80%(とち酒14/100%使用 精米歩合55%)、製造年月2020.11」。

 使用米の「夢ささら」は、栃木県農業試験場が2005年、母「山田錦」と父「T酒25」を交配。選抜と育成を繰り返し品種を固定。2018年2月に品種登録された新しい酒造好適米。特長は米の中心部分にある心白がはっきりしていて、酒造りに向いていること、玄米を削る際に砕けにくいため、大吟醸酒造りに適していることなど。

 また、使用米の「とち酒14」の正式名は「とちぎ酒14」。栃木県農業試験場が1996年、母「ひとごこち」と父「関東177号」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定。2005年に命名、2007年に種苗法登録された酒造好適米。収量性が高く栽培性に優れているのが特長。


【4505】九尾 純米吟醸 槽搾り 

酒蛙

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