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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4503】〆張鶴 しぼりたて 生原酒(しめはりつる)【新潟県】

2021.3.6 21:10
新潟県村上市 宮尾酒造
新潟県村上市 宮尾酒造

【B居酒屋にて 全7回の①】

 1カ月に1回のペースで足を運んでいるB居酒屋。常時約200種類の酒を置いているから、「日本酒津々浦々」の取材に好都合なのだ。コロナ休業のあと営業を再開したものの、なかなか客が戻らない様子。飲み手としては、すこしでも支援になるよう定期的に通うことしかできない。早くコロナ禍が過ぎ去り、にぎわいを取り戻してもらいたい、と切に願う。

 最初に選んだのは、「〆張鶴 しぼりたて 生原酒」。宮尾酒造のお酒は当連載でこれまで、6種類を取り上げている。今回のお酒は、当連載【1860】と同じ。しかし、ちょうど6年前に飲んだものなので、今回、再度味わって掲載する。では、いただいてみる。

 ファーストアタックで甘旨みがきて、すぐ辛みが来る。辛みとともに酸も来る。とろみもあり、まろやか分厚い酒質。味が太い。そして強い。かなり強い。アルコール分がどのくらいかラベルを見てみたら、なんと20度。日本酒のアルコール分の、ほとんどマックスの値だ。非常に飲みごたえのある酒だ。わずかに舌先にチリチリ感(ガス感)があり、フレッシュ感がある。酒の温度がすこし上がってくると、旨みを伴った甘みが前に出てくるようになる。

 仲居さんが、ちょっとなめてみて「わーっ、こんな強い酒、初めてだああ! 酒を飲んでるぅ~~って感じ!」と驚く。はい、あなたは間違いなくお酒を飲んでいるんです!

 日本酒を醸す酵母はアルコール分20~21%あたりまで耐えられる。それ以上になると酵母が死滅する。だから、20~21%が日本酒のアルコール分のマックス。ワインなど世界に醸造酒は多いが、醸造酒の中でアルコール分が一番高い(強い)のが日本酒なのだ。

 わたくしは「〆張鶴」を淡麗辛口~淡麗旨口の酒という印象を強く持っていたが、この酒を飲んで考えを改めた。この酒は濃醇辛口。宮尾商店の懐は深い。底知れぬ実力の片鱗をうかがわせるものがある。

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。

「本製品はしぼりたての生原酒をそのまま瓶詰めしたもので、製造より1ケ月位はその特長であるフレッシュな香味を楽しんで頂けます。(製造年月はラベルに表示)冷たくして、またはオンザロックで、なるべくお早めにお召し上がりください」

 裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)醸造アルコール、精米歩合60%、アルコール分20度、製造年月日20.11.13」。

 酒名「〆張鶴」の由来について、コトバンクは以下のように説明している。「酒名は古くからあり、その由来は定かではないが、酒造場を清浄な神域ととらえ『注連縄を張る』という意味があるのではないかといわれている」

酒蛙

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