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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4500】来福 純米大吟醸 くだもの ぐれふるばなな 生酒(らいふく)【茨城県】

2021.3.3 22:07
茨城県筑西市 来福酒造
茨城県筑西市 来福酒造

【日本酒研究会月例会 全6回の④】

 足掛け15年目に突入した日本酒研究会。異業種間交流飲み会ながら、毎月欠かさず飲み続けてきた(ただし、2020年4~10月の7回分はコロナのために不開催)。草創期のメンバーJの提案で、日本全国の現役蔵の酒を全部飲む、という遠大な目的のもとに飲み続けている。一時は、飲んだことのない蔵の酒を探すのが頭打ちになり、なかなか蔵数が増えなかったが、月例会の会場をE居酒屋に移してからは、続々と新蔵酒の登場しわたくしたちを喜ばせている。

 これは、ママの知恵袋であるバイヤーKさんの活躍によるもの。Kさんはわたくしたちの既飲蔵リストをもとに、わたくしたちがまだ飲んだことがない蔵の酒を探し出し入手、月例会に出す酒のラインナップを組んでいるのだ。今回は、茨城県酒6種類のうち、3種類が飲んだことがない蔵のお酒。これで、わたくしたちが飲んだことのある酒の蔵は、合計1196蔵となった。Kさんには感謝しても感謝しきれないほどお世話になっている。この場を借りてお礼を申し上げます。

 さて、Kさんの指示通り、「富士泉」「千姫」「花の井」の順で、わたくしたちが飲んだことのない初蔵酒をいただいた。次からは既飲蔵酒。そのトップは「来福 純米大吟醸 くだもの ぐれふるばなな 生酒」だった。来福酒造のお酒は当連載でこれまで、9種類を取り上げている。まったりとした口当たりのお酒、という印象を持っている。今回の酒は、ラベルの絵と酒名「ぐれふるばなな」から、バナナとグレープフルーツを意識して造った酒、と想像できる。あるいは醸した結果、バナナとグレープフルーツをイメージする酒が出来上がった、というストーリーかもしれない。さて、いただいてみる。

 酒蛙「おおおっ、上立ち香がバナナっぽい。含み香もバナナがいる」
 K 「うん。狙って造った感じだね」
 B 「あ”~~~っ! めちゃ甘い」
 I 「甘みが、ほわ~っと来るね」
 Y 「女性に受ける」
 酒蛙「甘旨酸っぱい。余韻は軽い苦み。香味は、バナナも感じるが、柑橘系をより感じる」
 I 「日本酒じゃないような味だ」
 K 「女子の受けを狙ったのかな」
 酒蛙「モダンタイプのライト~ミディアム系に属する酒だ」
 B 「だんだん酸が出てくる」
 酒蛙「これは旨い。甘旨酸っぱくてジューシー。余韻は苦み。甘旨酸っぱいが、シャープ感があり、キレが良い」

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、アルコール分16度、精米歩合50%、製造年月2021.1」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。ネット情報によると、ラベルは、フードイラストレーター「まるやまひとみ」さんが担当した、という。

 瓶の裏ラベルには「コンセプト ワーカーズ セレクション」と題し、以下の文章を掲載している。

「我々はいつから、お酒を『頭で飲む』ようになってしまったのでしょう。本来のお酒の楽しみ方は、その土地の風土や造り手の哲学が1本のボトルに表現されたお酒を、それぞれの飲み手が自らの『感性』でもって楽しむことが一番だと考えます。コンセプト・ワーカーズ・セレクションは、このような『感性に訴えるモノづくり』を一番に開発された商品たちです」

 全国の21酒蔵がこれに参加している。「来福酒造」もその一つで、今回の酒は、このセレクションの商品の一つ。セレクションの商品の裏ラベルには必ず、以上の口上が掲載されている。

「コンセプト・ワーカーズ・セレクション」について、日本酒情報サイト「SAKETIMES」は、以下のような趣旨で紹介している。

「コンセプト・ワーカーズ・セレクション」は、広島県広島市の地酒専門店「酒商山田」が手がけるもので、その土地の風土や造り手の哲学が表現されたお酒を、飲み手が自らの感性でもって楽しむことを目指した商品シリーズ。デザイナーによる印象的なラベルで、見た目も気を引く。
「コンセプト・ワーカーズ・セレクション」は、2016年11月に誕生したオリジナル商品のシリーズで、現在、全国の21蔵から約60種類のお酒を年間でリリースしている。シリーズ商品は、この取り組みに賛同する全国約90店の「コンセプト・ワーカーズ・セレクション」加盟酒販店で購入することができる。
 商品開発で大事なのは、「頭で飲むのではなく、感性でお酒を楽しんで欲しい」とのこと。「農=農家・農業」「造=造り・造り手」「美=デザイン・芸術」の3つの観点から日本酒を再考察して、「こんな商品があったらもっと面白いのにな」という素直な気持ちを、ひとつの商品としてカタチにしている、とのこと。

 さて今回の、酒名および蔵名の「来福」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。「来福酒造は、1716年(享保元年)、近江商人が筑波山麓の良水の地に創業いたしました。創業当時からの銘柄『来福』は俳句の『福や来む 笑う上戸の 門の松』に由来するものです」

酒蛙

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