【4455】萩の鶴×日輪田 HYBRID(はぎのつる、ひわた)【宮城県】

【TU会 全4回の④完】
コロナ禍で半年間、開催を自粛したTU会。再開して今回が3回目の例会。会場のB居酒屋で、「麓井」「飛良泉」「森嶋 雄町 純米大吟醸 無濾過生原酒」(当連載【4205】)、「土田 麹九割九分 生酛仕込み」(当連載【4338】)、「山形正宗」と飲み進め、店長が最後6番目に持ってきたのは「萩の鶴×日輪田 HYBRID」だった。
萩野酒造の酒は、わたくしの口に非常に合う。このため飲む機会も多く、当連載でこれまで、「萩の鶴」22種類、「日輪田」10種類を取り上げている。今回、その両者をブレンドしたということで、興味津々いただいてみる。
酒蛙「おっ、美味しい」
K 「美味しい。爽やかさを感じる」
Y 「あ~~~~~~~~」(目を閉じ、口を半開き。恍惚の表情)
酒蛙「『萩の鶴』の味でもない。『日輪田』の味でもない。全体的に、穏やかで、まったりとした酒質に感じる」
K 「だって、これ、ハイブリッドですよ」
酒蛙「やわらかで、やさしい口当たり。穏やかな旨みと酸が良い。ともにバランス良く出ている。甘みも感じる。余韻は苦み」
瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。「宮城らしさを追求しながら進化を続けてきた速醸の『萩の鶴』。伝統の山廃仕込みと現代の技術を融合させた『日輪田』。この異なる2つの個性を掛け合わせました。モダン×クラシックの異なる個性の織りなす新しい味わいをお楽しみください」
裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合50%、アルコール16度、製造年月2020.11」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。また、特定名称酒の区分をしないのも非常に残念だ。スペックから想像すれば、純米大吟醸クラスだが…。
酒名「萩の鶴」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。
「ここ金成有壁(かんなりありかべ)は、その昔『萩の村』と呼ばれていました。その名の通り萩の花の美しさで知られ、今でもたくさんの萩が見られます。そこから『萩』をとり、縁起のよい『鶴』と組み合わせて名付けました。昔から地元で幅広く愛されてきた当蔵の中心銘柄で、宮城らしいキレイでスッキリとした飲み飽きのしない酒質を目指します。味の濃すぎない上品な和食や、クセの強過ぎない新鮮な海の幸等と合わせて欲しいお酒です」
また、酒名「日輪田」の由来について、ほかの「日輪田」の瓶の裏ラベルには、以下のように、酒名の由来が書かれている。「『日輪田』とは、古代神に捧げる穀物を育てたまるい田のこと。そして『お日様』と『田んぼ』の恵みを皆で『輪』になって楽しんで欲しいという願いも込められています」