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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4410】土田 生酛仕込(つちだ)【群馬県】

2020.11.29 16:59
群馬県利根郡川場村 土田酒造
群馬県利根郡川場村 土田酒造

【TU会定例会 全6回の⑤】

 コロナ禍で半年間、開催を自粛したTU会。再開して今回が2回目の例会。会場のB居酒屋が「悦蔵」「亀齢」「鳳凰美田」「會津龍が沢」と繰り出し、5番目に持ってきたのは「土田 生酛仕込」だった。この蔵のお酒は当連載でこれまで、6種類を取り上げている。

 この蔵は、近年、さまざまな新しいことにチャレンジし、全国の酒造関係者から動向が注目されている。とくに生酛仕込みを得意としており、全量山廃蔵から、全量生酛蔵へ移行させた。さて、いただいてみる。

 酒蛙「わたくしが好きなセメダイン香(酢酸エチル的芳香)がする」
 KI「このお酒もレベルが高い」
 W 「最初にセメダイン香を感じるが、その香りは後に残らない」
 ヨネちゃん「このお酒、好きだなあ」
 酒蛙「うん、同感。すっきり・さっぱりとした口当たり。そして複雑な旨み、さわやかな酸。キレも良し。しみじみ旨い」
 U 「今日飲んだ酒の中では、一番身近に感じる。すっきりした酒で飲みやすい」
 酒蛙「うん、飲み飽きしない普段着酒」

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。

「瓶をドンと置き、ゆったり座って呑む。食べては、また呑む。自然の乳酸菌が育んだ生酛仕込み。加水調整なしの原酒。この強健な酸味と旨みを、歯ぐきで味わいたい。冷やでぬる燗で 和食もフレンチにも 涼やかな土田 生酛仕込」。「歯ぐきで味わいたい」とはまた、すさまじい表現だ。こんな表現、初めてみた。しかし、言いたいことはニュアンスとして伝わる。

 また、蔵のホームページはは「『土田』シリーズの代表作。生もとの旨味、クリアな後味の土田」と題し、この酒を以下のように紹介している。

「アルコール度数15%の、クリアな味わいの原酒。力強い麹菌を使い、短い時間で麹を造る独自の麹造りと、発酵技術により、アルコール感を抑えているためです。昨年よりも、よりクリア感が増しています。
当社の中でも 特につまみを選ばず、料理をとめないお酒という特徴をもっています。そのため、日本酒の入門酒にピッタリ。家飲みでも、「あともう一杯」と食べて飲んでを繰り返すことが可能です。
自然由来の生酛が生み出した味わいで、うまみも残ったお酒に仕上がっています。自然の菌のはたらきに委ねる伝統的な醸造技術を継承しつつも、近代だからできる味わいを求めています。生酛(きもと)が生み出す複雑なうまみは、現代の料理にとてもマッチしています。和食だけではなく、肉やチーズなどの洋風の料理にも合います。もちろん、お燗にして頂くといっそう膨らみが出てきますので そちらも是非お愉しみに」

 裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合60%、麹歩合25%、種麹 白夜、使用酵母 協会701号、アルコール分15%(原酒)、粕歩合47%、ラベルに表記のある原材料以外不使用(酵素剤・発酵補助剤不使用)、当商品はブレンド調整をしていないため 仕込み桶ごとに味わいが異なります」。「ラベルに表記のある原材料以外不使用(酵素剤・発酵補助剤不使用)」という表示は、秋田県の新政酒造の蔵元さんが使い始め、今では全国の蔵元さんの何人かはこの表現を使っている。

 ところで、特定名称の区分表示が無いのは残念だ。ナニガシカの理由があって表示していないものとおもわれるが、表示をしない理由を裏ラベルに載せていただければ、消費者として助かる。表示スペックから類推すると、純米吟醸、特別純米、純米酒とおもわれる。しかし、複数の酒屋さんのサイトでは、この酒を「純米吟醸」と表示している。蔵元さんからのリリースがなければ、酒屋さんは「純米吟醸」と表示しないはずだ。それなのにラベルに表示しないとは??? 不可思議だ。

酒蛙

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