メニュー 閉じる メニュー
文化

文化

日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4378】桂月 CEL24 純米大吟醸 50 生酒(けいげつ)【高知県】

2020.10.26 21:16
高知県土佐郡土佐町 土佐酒造
高知県土佐郡土佐町 土佐酒造

【E居酒屋にて 全9回の③】

 新しいお酒がある程度そろったら、連絡をくださいね。わたくしは、E居酒屋のママにこうお願いしている。年金暮らしの今、そしてコロナ禍で東京のなじみの居酒屋に行けない今、効率的に「日本酒津々浦々」の取材をするには、この方法が一番だ。こうして、E居酒屋に酒友3人と出かけた。

「壬生 純米大吟醸 無濾過原酒 生」「加茂錦 黄水仙 荷札酒 純米大吟醸 槽場汲み・瓶火入れ」と飲み進め、3番目にいただいたのは「桂月 CEL24 純米大吟醸 50 生酒」だった。「桂月」は当連載でこれまで「桂月 純米吟醸」(当連載【2132】)を1種類取り上げている。さて、いただいてみる。

 完熟メロンのような、トロピカルフルーツのような、華やかな香り。これが第一印象だった。甘旨酸っぱくて、中でも甘みと酸が良く出ている。しかし、それほどパンチのある甘旨酸っぱさではなく、おとなしめの味わい。総じてフルーティー&ジューシー。きれいな酒質。余韻は辛み。余韻の辛みが長い。

 瓶の裏ラベルは、この酒を「高知県嶺北地方産の酒造好適米『吟の夢』を100%使用し、高知県酵母CEL24にて恵まれた自然環境の中で丹念に仕込んだ純米大吟醸酒です」と紹介している。

 高知酵母について、高知県中小企業団体中央会のサイトは「高知県工業技術センターで行われている、高知県独自の酵母の研究と開発によってこれまでに5種類の「高知酵母」が誕生しました。これらは県内の酒造メーカーに広く用いられ、地酒としての個性づくりや吟醸酒など高級酒の拡大に貢献しています」と説明。

 さらに同サイトは「CEL-24株」は1993年に開発されたとし、「カプロン酸エチルやリンゴ酸がCEL-19の更に2倍、発酵力が弱いため、日本酒度-15程度で仕上る。甘酸っぱく非常に香りの高い低アルコール酒(アルコール13%程度)ができます」と紹介している。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「アルコール分15%、原材料名 米(日本産)米麹(日本産米)、精米歩合50%、製造年月2020.7」。また、蔵のホームページはさらに「日本酒度-4 酸度1.4 アミノ酸度1.0」と公開している。

 使用米の「吟の夢」は、高知県農業技術センターが1990年、母「山田錦」と父「ヒノヒカリ」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定。1998年に命名、2002年に種苗法登録された酒造好適米だ。

 蔵のホームページは、この酒の受賞歴を以下のように紹介している。IWC2019 純米大吟醸部門 ゴールドメダル受賞、Kura Master 2019 純米大吟醸部門 プラチナ賞受賞、Kura Master 2020 純米大吟醸部門 金賞受賞。

 ところで、「桂月」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「桂浜は古来より月の名所として知られ、『よさこい節』にも唄われている。土佐湾を望む龍頭岬と龍王岬の間に弓状に広がる海岸で、松の緑と、五色の小砂利、紺碧の海が見事に調和した高知県を代表する景勝地である。東端の岬には坂本龍馬の銅像が太平洋の荒波に向かって立ち、毎年中秋の名月には高知が生んだ文人大町桂月を偲び、名月酒供養が催されている」

 また、蔵のホームページは「酒と旅を愛した文人」と題し、大町桂月について、以下のように紹介している。

「1869年(明治2年)、高知市北門筋に生まれる。本名は芳衛。雅号の桂浜月下漁郎は、月の名所桂浜に因む。東京帝国大学国文科卒業後、『文芸倶楽部』『太陽』『中學世界』等に随筆を書き美文家として知られる。和漢混在の独特な美文の紀行文で知られ、終生酒と旅を愛し、酒仙鉄脚の旅人と称される。北海道の層雲峡や羽衣の滝の名付け親でもあり、その功績を称えて、大雪山系には桂月岳という名の山まである。青森県の十和田湖と奥入瀬を殊に愛し、晩年は同地の蔦温泉に居する。1925年(大正14年)6月10日没」

酒蛙

関連記事 一覧へ