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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4372】東洋美人 醇道一途 純米吟醸 酒未来(とうようびじん じゅんどういちず)【山口県】

2020.10.20 18:12
山口県萩市 澄川酒造場
山口県萩市 澄川酒造場

【B居酒屋にて 全4回の①】

 せんだって、TU会例会をB居酒屋で開いたとき、冷蔵庫の中に、わたくしがまだ飲んだことがない酒をいくつか見つけた。それを飲まなければならない。ということで、後日一人で、B居酒屋の暖簾をくぐった。

 まずいただいたのは「東洋美人 醇道一途 純米吟醸 酒未来」だった。「東洋美人」は飲む機会が多い酒で、当連載でこれまで、13種類を取り上げている。高位安定の酒造り、という印象が強い。落ち着き感があり、品格を感じる酒造りをしている、とおもう。さて、いただいてみる。

 旨みたっぷり、旨みが膨らむ。これが第一印象。適度な果実香。エキス感があり、とろみあり、やや濃醇。含み香に、バナナに似た香りをすこし感じる。滑らかで、きれい感のある口当たり。序盤は旨み、中盤から酸が出てくる。酸が出てくると、ジューシーになり、輪郭が明確になってくる。そして最後は辛みと苦み。ヨーグルトの上澄み液のような乳酸感もあり、味の複雑さを増す一助となっている。

 瓶の裏ラベルは、酒造りに対する蔵元さんの心構えを以下のように記している。

「お買い求め頂き心より感謝申し上げます。皆様にお酒造りの舞台に戻して頂き、『原点』から『一歩』を踏み出させて頂きました。いつ何時も『醇道一途』の気持ちを胸に刻み、お酒造りに精進して参ります。   澄川酒造場四代目蔵主 澄川宜史」

 この文章の中で「皆様にお酒造りの舞台に戻して頂き」という部分は、多くの人が「どういう意味だろう?」と首をかしげる、分かりにくい文章だ。これについて、矢島酒店(千葉県)のサイトは「2013年の豪雨災害で壊滅的な状況から復旧し、『原点からの一歩』を踏み出す意味が込められた『一歩』」(IPPO)シリーズに代わり、いつ何度も『醇道一途』の気持ちを胸に刻み、お酒造りに精進していくという想いが込められています」と説明している。

 また、酒名の副題にもなっている「醇道一途」について、酒販店「鍵や」(大阪府)のサイトは、「『原点』『一歩』と多くの人気酒を造り出してきた澄川酒造場の最新シリーズ『醇道一途(じゅんどういちず)』。この言葉は澄川社長が修行の身だったころ、恩師である但馬杜氏の米田幸市氏に頂いた言葉だそうです。『何があろうと、今もこれからも酒造り一筋に生きていきなさい』というこの言葉は今でも澄川社長が大事にしている言葉」と説明している。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、原料米 酒未来80%使用、精米歩合 麹米40% 掛米50%、アルコール分16度、製造年月2020.7」。

 使用米の「酒未来」についてウィキペディアは、「1999年、民間機関開発。高木酒造の高木辰五郎が山酒4号/美山錦を交配して育種。米雑穀卸業の株式会社アスクが商標登録の権利を有する」と説明している。

 また、地酒屋サンマートのサイトの中にある「お酒用語集」では、以下のように説明している。「『十四代』で知られる山形県の高木酒造の高木辰五郎社長が、『山酒4号』『美山錦』を交配して育種した酒造好適米。自社で交配、育成し、地元の山形県内で栽培した酒造好適米を用いた日本酒を醸造することにより、全国に山形の清酒をアピールする目的で誕生。酒造会社自ら酒米の交配、育種を手掛けた例は全国的でも珍しく、『龍の落とし子』と兄弟系統にある『酒未来』は、山田錦の交配種にあたり、品種改良によって山田錦の系統を受け継いだ醸造適正が非常に優れた酒造好適米です」

 酒名「東洋美人」の由来について、ネット情報では「初代の蔵元さんが亡くなった奥さまのことを想って名付けた」といわれている。

酒蛙

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