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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4371】而今 純米大吟醸 白鶴錦(じこん)【三重県】

2020.10.18 21:31
三重県名張市 木屋正酒造
三重県名張市 木屋正酒造

【TU会 全6回の⑥完】

 コロナのため半年間、開催を自粛していたTU会。そろそろ試験的に再開してもいいんじゃないか?という会長の発案で6カ月ぶりに開催した。いずれもこの日を待ちかねていた様子。最初からテンションが高い会となった。TU会は長くM居酒屋で開いてきたが、諸事情があり今回からB居酒屋での開催となった。

「超久」「来福」「神心」「舞美人」「川鶴」と飲み進め、最後6番目にいただいたのは「而今 純米大吟醸 白鶴錦」だった。木屋正酒造のお酒は飲む機会が多く、当連載でこれまで19種類を取り上げている。そのほとんどが「而今」だ。甘旨酸っぱいしっかりとした味わいの、非常に高位安定の酒造りを続けている孤高の地酒蔵、という印象だ。

 今回のお酒は、かの清酒蔵最大手・白鶴酒造が開発した酒造好適米「白鶴錦」を使って醸したお酒だ。「白鶴錦」を使用したお酒は、当連載でこれまで、「雨後の月 純米大吟醸 白鶴錦100%使用」(当連載【3648】)、「白鶴 純米生原酒 荒駒 特撰」(当連載【3825】)、「あたごのまつ 純米大吟醸 白鶴錦」(当連載【3946】)、「東洋美人 純米大吟醸 白鶴錦 40」(当連載【4055】)、「東一 純米吟醸 白鶴錦」(当連載【4282】)の5種類を取り上げている。今回で6種類目だ。さて、いただいてみる。

 酒蛙「旨いっ! これはすごい!」
 TU「美味しいっ!!!」
 KO「飲み口が良くて美味しい」
 SD「いかにも純米大吟醸だ。バランスが良いお酒ですね」
 酒蛙「ふくよかで、甘旨酸っぱい。凝縮感のある旨み。ボディー感があるけど、くどくない。厚みほどほどで口当たりやわらかく、得も言われず上品感と落ち着き感と透明感がある」
 TU「甘いっすね」
 酒蛙「穏やかな果実香。余韻は辛みと苦み。味が強めに出ている」

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料 米(国産)米麹(国産米)、原料米 白鶴錦100%、精米歩合45%、アルコール分15.5%、製造年月2020.06」。

 使用米の「白鶴錦」は「山田錦」ときょうだい品種。白鶴酒造のホームページは、「白鶴錦」を開発したいきさつについて、以下のように説明している。

「白鶴酒造は新しい試みに着手しました。『山田錦』の母にあたる『山田穂』と父にあたる『渡船』を約70年ぶりに交配させ、『山田錦』の兄弟品種を作る試みです。兄弟米の中には山田錦をしのぐ米があるかもしれないと考えたのです。公的機関の協力のもと、交配によって1年目には800系統におよぶ兄弟米を得て、2年目は、そのなかから優れた米100系統を選んで栽培し、さらに3年目はより優れた米を選びぬく…という選抜固定の栽培を繰り返し、ようやく8年目の2003年、山田錦にも劣らない品質の米を選ぶことができました。この品種は『白鶴酒造が育て上げた期待の米である』という意味を込め『白鶴錦(はくつるにしき)』という名前を付け、2004年4月に農林水産省へ品種登録の出願を行いました」

 裏ラベルには、どの「而今」の裏ラベルにも書かれているように、これも、「過去に囚われず 未来に囚われず 今をただ精一杯に生きる  杜氏 大西唯克」と、蔵の口上が書かれている。「今この一瞬」。文語では、「而して今」。これが、酒名の由来だ。由来についてコトバンクは、「酒名は、仏教用語で『今の一瞬』の意。過去や未来に囚われず今をただ精一杯に生きるという意味を込めて命名」と説明している。「而今」とは、道元禅師が中国での修行時代に悟った世界観。

酒蛙

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