【4370】川鶴 KAWATSURU 純米吟醸 さぬきオリーブ酵母仕込み(かわつる)【香川県】

【TU会 全6回の⑤】
コロナのため半年間、開催を自粛していたTU会。そろそろ試験的に再開してもいいんじゃないか?という会長の発案で6カ月ぶりに開催した。いずれもこの日を待ちかねていた様子。最初からテンションが高い会となった。TU会は長くM居酒屋で開いてきたが、諸事情があり今回からB居酒屋での開催となった。
「超久」「来福」「神心」「舞美人」と飲み進め、5番目にいただいたのは「川鶴 KAWATSURU 純米吟醸 さぬきオリーブ酵母仕込み」だった。「川鶴」はけっこう飲む機会があり、当連載でこれまで、12種類を取り上げている。酸と旨みが良く出ている旨口酒、というイメージを持っている。さて、いただいてみる。
TU「甘い」
SA「たしかに甘い」
TU「酸もある」
SA「甘みがあるから酸も感じるのだろう」
酒蛙「やわらかな甘旨みが出ており、さわやかな酸も出ている」
W 「飲みやすくておいしい」
TU「メロンみたいな甘さだ」
酒蛙「メロンと巨峰を合わせたような香りがほのか」
SD「今日のお酒はみんな、エッジが立っている」
酒蛙「SDさん、すごい表現だ。『川鶴』らしい旨口で、やや濃醇なお酒だ。余韻は苦辛みが適度に」
瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。「香川県小豆島のオリーブから採取した『さぬきオリーブ酵母』と香川県産米オオセトを使用し、丁寧に手造りしました。果実様の上品な香り、みずみずしくフレッシュで軽快な酸、キレ味をお楽しみください」
さぬきオリーブ酵母について、ウェブサイト「BUSINESS KAGAWA」は、以下のように経緯を説明している。
「香川県産業技術センター発酵食品研究所と香川県酒造組合は、共同研究により県産オリーブの果実から、『さぬきオリーブ酵母』を抽出。この酵母を使った新商品が、県内の蔵元4社から4月に発売された。発売に先立ち、4月16日には新酒発表会を実施、開発の経緯や新商品の特徴を紹介した。
県木であるオリーブから酵母を採取する研究がスタートしたのが2015年。18年に清酒づくりに適した酵母がオリーブの果実から発見され、蔵元での試験醸造を経て『さぬきオリーブ酵母』を使った清酒が20年に完成した。
この酵母を使って商品を発売したのは、小豆島酒造、西野金陵、綾菊酒造、川鶴酒造。同じ酵母を使いながら、それぞれが全く違う個性をもった味わい深い仕上がりになっている」
瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、原料米 香川県産オオセト100%使用、精米歩合55%、アルコール分14度、製造年月2020.7」。
使用米の「オオセト」は農林水産省中国農業試験場が1966年、母「奈系212」と父「コチカゼ」を交配、育成と選抜を繰り返し品種を固定。1979年に命名された。
酒名および蔵名「川鶴」の由来について、蔵のホームページは「蔵の裏に流れる清らかで豊富な水を湛える清流“財田川”に鶴が舞い降りたことから初代蔵元が酒名を川鶴と命名しました」と説明している。