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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4353】丹澤山 凛峰 山廃純米 備前雄町 火入 27BY(たんざわさん りんほう)【神奈川県】

2020.9.30 14:44
神奈川県足柄上郡山北町 川西屋酒造店
神奈川県足柄上郡山北町 川西屋酒造店

【H居酒屋にて 全4回の③】

 コロナ緊急事態宣言以後、初めてH居酒屋の暖簾をくぐった。実に4カ月ぶり。以前は週1~2回の頻度で行っていたが、とんとご無沙汰だ。久しぶりに見る店主は、激しく痩せていた。8キロ減とか。コロナの影響か、とおもいきや「もともと客が入らない店なので。コロナの影響はありません」と自虐的だ。

「るみ子の酒」「宗玄」と飲み進め、3番目にいただいたのは「丹澤山 凛峰 山廃純米 備前雄町 火入 27BY」だった。川西屋酒造店の二枚看板は「丹澤山」と「隆」。前者は主に県内向け、後者は主に東京など県外向け、というコンセプトで造っている、といわれている。熟成させた燗酒向きの酒を醸している、という印象が強い。

 当連載はこれまで、「丹澤山」「隆」併せて15種類を取り上げており、うち6種類はこのH居酒屋で飲んでいる。なぜか、H居酒屋でこの蔵のお酒をよく見るのだ。さて、今回のお酒をいただいてみる。

 酒蛙「すっきりした口当たりで、さわやかな酸が出ている。旨みもやわらかに出ている」
 店主「入り口の香りが個性的だ」
 酒蛙「香りはほのか、穏やか」
 店主「辛みが強い」
 酒蛙「ほのかにセメダイン香(酢酸エチル香)を感じる。中盤から余韻は辛み。キレが良い」
 店主「うん、それ、分かるような気がする」
 酒蛙「冷酒より燗酒に向いているような酒質だ。今度、燗酒を試してみよう」

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「アルコール分16度、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、原料酒米 2015年産 岡山県産 雄町100%、精米歩合60%、日本酒度 プラス1、使用酵母 協会701、酸度1.6、杜氏名 高橋健一、製造年月20.7」。

 27BYとは、2015年7月から2016年6月の間に醸したお酒という意味で、ずっと貯蔵して熟成させ、2020年7月に出荷した、という意味だ。つまり4~5年も熟成させたお酒だったのだ。普通の酒は、このくらいの期間熟成させると、古酒香(紹興酒に似た香)がするものだが、今回のお酒は古酒香が全くしない。これはこれで、驚きだ。4~5年前の新酒のころは、極めて若く、極めて硬い酒だったのではないか、とおもわれる。すごい造り方だ。

 酒名「丹澤山」は、蔵の後背地が丹沢山地だから、言わずもがなではあるが、その名に由来するものとおもわれる。

酒蛙

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