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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4339】七田 純米吟醸 Rising Sun(しちだ)【佐賀県】

2020.9.16 18:22
佐賀県小城市 天山酒造
佐賀県小城市 天山酒造

【E居酒屋にて 全9回の⑨完】

 なじみのE居酒屋のバイトNさんからカラオケの勝負を挑まれた(E居酒屋にはカラオケ装置がある)。精密採点(コンマ3桁まで採点される)で勝負しようというわけだ。Nさんは、なかなかの自信家だ。課題曲は「危険なふたり」(沢田研二)と「最後もやっぱり君」(Kis-My-Ft2)の2曲。わたくしはこの1カ月、決戦に備えスナックやボックスなどで、この2曲の練習をしてきた。そしてこの日、さあ勝負だ! とE居酒屋に乗り込んだ。ところがNさんは所用とで不在。なんということだ。

「古伊万里」「裏百楽門」「裏死神」「日下無双」「月桂冠」「裏萩の鶴」「くどき上手」「土田」と飲み進め、最後9番目にいただいたのは「七田 純米吟醸 Rising Sun」だった。この蔵のお酒は飲む機会が多く、当連載でこれまで、17種類を取り上げている。甘酸っぱい、やや濃醇なお酒、というイメージを抱いている。

「Rising Sun」と銘打ったラベルが目を引く。日の出をイメージしたラベルデザインだ。これについて、裏ラベルは「日はまた昇る」と題し、「希望の光はきっと我々の前に差してきます。皆で力を合わせて明るい未来へ進みましょう! 佐賀の天山酒造から頑張る日本の飲食店の皆様へエールを送ります!」と述べている。つまり、コロナ禍で苦しむ飲食店を応援しようと出したお酒なのだ。「日はまた昇る」。すなわち、やまない雨はない。励まされる。

 ただ、裏ラベルだけだと、よく分からない。蔵のホームページに噛み砕いて書かれているので、以下に張り付ける。

「この度の新型コロナウイルスに罹患された皆様と感染拡大により生活に影響 を受けられている皆様に心よりお見舞い申し上げます。新型コロナウイルスの影響により、全国の飲食店様に置かれましても、甚大な 影響が出ている状況であることと存じます。その中で天山酒造では、飲食店様 を応援したいという想いを込めて、異なる3種類の酒米【山田錦・愛山・雄町】で醸した50%磨きの純米吟醸をブレンドした飲食店限定酒の蔵出しを6月22日より開始致しました。ぜひ、飲食店様でお楽しみください」

 飲食店だけに卸す差別化商品だったのだ。居酒屋に足を運んで飲んでね、というわけだ。また、「山田錦」「愛山」「雄町」それぞれで醸した純米吟醸のブレンド酒というのも面白い。この企画のためだけにつくったお酒、という蔵のおもいが伝わってくる。さて、いただいてみる。

 上立ち香は、果実香がほのか。「七田」に持っているイメージ通り甘旨みが立つ。甘い酒は、口当たりが重い場合があるが、この酒は違っていた。すっきり、さっぱりした口当たりだったのだ。適度に出ている酸は、じんわり太め。わたくし個人的に「七田」に持っているイメージは、は「味が分厚い酒」だが、今回の酒は「七田」に持っているイメージとは真逆の、軽快感があるお酒だった。キレも良い。アルコール分が14度と低めに設計されているのも、軽快に感じる要因の一つかもしれない。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合50%、アルコール分14度、製造年月2020.06」。

酒蛙

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