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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4334】日下無双 純米60 無濾過生(ひのしたむそう)【佐賀県】

2020.9.11 21:48
佐賀県三養基郡みやき町 天吹酒造
佐賀県三養基郡みやき町 天吹酒造

【E居酒屋にて 全9回の④】

 なじみのE居酒屋のバイトNさんからカラオケの勝負を挑まれた(E居酒屋にはカラオケ装置がある)。精密採点(コンマ3桁まで採点される)で勝負しようというわけだ。Nさんは、なかなかの自信家だ。課題曲は「危険なふたり」(沢田研二)と「最後もやっぱり君」(Kis-My-Ft2)の2曲。わたくしはこの1カ月、決戦に備えスナックやボックスなどで、この2曲の練習をしてきた。そしてこの日、さあ勝負だ! とE居酒屋に乗り込んだ。ところがNさんはw所用ということで不在。なんということだ。

「古伊万里」「裏百楽門」「裏死神」と飲み進め、4番目にいただいたのは「日下無双 純米60 無濾過生」だった。「日下無双」といえば、赤い瓶があまりにも鮮烈でインパクト絶大。以前、「日下無双 純米 生酒」(当連載【1016】)を飲んだことがあるが、味はまったく忘れたものの、真っ赤なボトルの印象は鮮烈に残っており、冷蔵庫の中に赤ボトルを見つけたときは、おおっ懐かしい、とおもったものだ。

【1016】と同じ酒かとおもったが、よく見たら、【1016】は生、今回のお酒は無濾過生ですこし違うので取り上げることにした。この記事をまとめるにあたり、今回のボトルのラベルを見て仰天した。というのは、【1016】は山口県岩国市の村重酒造で醸したもの、そして今回のお酒は佐賀県三養基郡みやき町の天吹酒造で醸したものだったからだ。

 調べてみて分かった。杜氏さんが2019BYから天吹酒造に移籍したのだ。そして、「日下無双」は杜氏さんの名を冠したお酒なので、「日下無双」という銘柄も天吹酒造に移籍した、というわけだ。極めてレアなケース。あらためてびっくりだ。

 さて、いただいてみる。上立ち香はほのか。アタックはおとなしく、さらりとした口当たり。しかし、味わいはけっこうしっかりしており、酸と辛みに甘みが加わるイメージ。基本的に甘みと酸で味を構成、旨みと辛みは適度に出ている。余韻は苦み。キレが良く、飲み飽きしないので、食中酒に非常に適しているお酒だとおもった。

 天吹酒造のホームページは、この酒を以下のように紹介している。

「舌に乗るしっかりとした旨みが特徴的なお酒。かといってベタつくことはなく、キレのある爽快なフィニッシュ。スッと口中へ、フワッとした旨味、グワっとしたのど越し。芳醇さと飲みやすさを兼ね備えた個性的なお酒です。チータラや塩辛をつまみながら呑みたいお酒です」

 ホームページでは酒名「日下無双」について、以下のように説明している。

「造り手(日下信次)の名前を冠したこのお酒は、世界、天下にならぶものがないほど優れているという意味を持ちます。
その名に恥じない酒造りをするために、伝統に学び、時に新しい技術を取り入れながら常に成長し続ける日本酒。それが日下無双です」

 また、造り手・日下信次さんは、ホームページの中で、以下のように自己紹介している。

「本年度より天吹酒造の造りに携わることになりました、日下信次(ひのした しんじ)です。気づけば酒造業界に入って30年の月日が経ちました。今までとは違う新しい環境の中で、これまで培ってきた経験・スキルがどれだけ活かせるかが試されると思います。
常日頃から蔵人たちと協力しながら、また若手社員には自分が教えられるすべてのことを伝授していき、美味しく良い酒を造ることだけを念頭に置くことなく、後世にもいい形でバトンタッチできるようにこれからも日々精進してまいりますので皆様よろしくお願いします」

 日下信次さんの酒造りの特徴を、ホームページで以下のように列記している。

「何よりも先に原料処理を第一優先とし、秒刻みで慎重かつ丁寧に取り組む精米・洗米作業。使用する酵母に合わせて掛け米、麹米を調整。2種類の酵母を使用しそれぞれ別タンクでの仕込み。酵母に寄り添い支えながら行う徹底した温度管理。酒造りに不可欠な原料への深い感謝を胸に、米・水・酵母の特性をより引き出せるよう丁寧で丹念な造り。搾った後の酒の出来を利いて別々のタンクで仕込んだお酒の調合比率を調整。一切妥協せずに愛を込めてお酒造りに日々取り組んでいます」

 瓶のラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米こうじ(国産米)、アルコール分16度、精米歩合60%、製造年月20.06」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だが、ホームページでは「原料米 山田錦」と開示している。

酒蛙

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