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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4328】醸し人九平次 La Maison(かもしびとくへいじ)【愛知県】

2020.9.5 23:04
愛知県名古屋市 萬乗醸造
愛知県名古屋市 萬乗醸造

 コロナ禍で、どこの飲食店も困り果てている。そこでわたくしは、可能な限り店を訪れ、利用することにしている。今回はK料理店。40歳代の夫婦がきりもりしている料理店。会社勤務時代は社用や仲間内の個人的飲み会でよく利用したし、会社卒業後も連れ合いと時々訪れている。

 今回選んだ日本酒は「醸し人九平次 La Maison」だった。「醸し人九平次」は飲む機会が多い酒で、当連載でこれまで、14種類を取り上げている。上品感とバランスの良さとモダンな味わいで、個人的には、地酒蔵の中でも頭一つ抜けている蔵の一つだとおもっている。

 今回の副酒名は「La Maison」。フランス語で「家」という意味だ。学生時代、第二外国語にフランス語を選択したので、今でも「La Maison」くらいは分かる。

 それはさておき、ラベルに「それはメゾン、それは家、それは帰るところ」と書かれている。つまり、「コロナ禍の中、“お家時間”にこの酒を飲んでね」というメッセージなのだ。さて、いただいてみる。

 まるい口当たり、ジューシー、が第一印象。適度な果実感があり、甘旨酸っぱく、中でも酸が良く出ている。余韻は軽い苦み。キレが非常に良く、上品感があり、強さを感じることなく非常に飲みやすい。実に旨い。酒というよりサイダー的味わい。酸が出て、サイダー的な味わいなので、飲み飽きせず、いくらでも飲める。上品感に加え、カジュアル感のあるお酒だ。重くない酒質なので、“お家時間”を意識しての設計なのだろう。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、岡山赤磐地区契約農家産・雄町米100%、アルコール分15度、製造年月2020年6月」。特定名称酒の区分と精米歩合を明らかにしていないのが残念だ。特定名称にこだわらずに、“お家時間”にあれこれ考えず気軽に飲んでほしい、という意図から、特定名称酒の区分と精米歩合を明らかにしていないのだろうが、わたくしは、明らかにすべきだと考える。原材料をみると、純米、特別純米、純米吟醸、純米大吟醸のいずれかとおもうが、純米大吟醸の可能性が大の味わいだ。

 この酒の「蔵元テイスティングコメント」は以下の通り(酒屋さんのサイトから借用)。

「雄町特有のボタニカルな香りに加え、ハッサクのような和の実が大ぶりな柑橘を連想する爽やかな香り。味わいも香りと同じように和の柑橘を口にしたような旨味・酸味・苦味を連想します。特徴的なのは旨味のアタック、そして余韻の心地良い苦さ。味わいのバランスが整っており、穏やかかつ、落ち着いた印象を受けます。気軽にゆっくり楽しんでいただければ幸いです」

 酒名「醸し人九平次」がユニークだ。1997年に登場し、またたくあいだに全国に名を広めた。蔵元・久野九平冶(代々の当主が九平冶を名乗る)さんの名にちなむ酒名である。

酒蛙

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