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文化

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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4325】山本 純米吟醸 Midnight Blue(やまもと)【秋田県】

2020.9.2 18:27
秋田県山本郡八峰町 山本酒造店
秋田県山本郡八峰町 山本酒造店

【B居酒屋にて 全6回の⑤】

 月1回のペースでB居酒屋に足を運んでいる。この店は酒の品揃えが豊富で、非常に勉強になる。なにより当連載「日本酒津々浦々」の取材になる。頻々と暖簾をくぐってもいいのだが、そうなると新規のお酒に巡り会えない。「日本酒津々浦々」は、わたくしにとって新規のお酒ばかり取り上げているので、それでは困る。したがって経験則から、酒の入れ替えのリズムに合わせるには月1回の来店、ということになる。

「鳳凰美田」「風の森」「御前酒」「聖」と飲み進め、5番目にいただいたのは「山本 純米吟醸 Midnight Blue」だった。「山本」は酸が出てしっかりした味わいの酒、という印象で、わたくしの好きな銘柄の一つ。当連載でこれまで、16種類を取り上げている。飲む機会の多い酒だ。

 さて、今回のお酒はどうか。いただいてみる。開栓したら「ボンっ!!」という、ガスが抜ける大きな音。周辺にいる人たちはみんなびっくりだ。

 含んだ第一印象は「甘みと苦みが出ている」。あれっ? 意外に酸が出ていない。酸は、これまでの「山本」にみられるように、前に出てくることはなく、ふつうにいる。余韻は辛・苦・酸。中でも、とくに苦みが強い。キレが非常に良い。香りはほのか。これまで「山本」に抱いてきた濃醇酸味フルボディー酒というイメージとは違い、爽やかでさらっとしたシャープな口当たりだ。全体的に大人しくまとまっている感じがする。あれも「山本」、これも「山本」か。

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。

「この商品は香りが敢えて控え目で柑橘系のフルーツのようなジューシーな酸味と、日本刀のような鋭い切れ味が特徴のピュアブラックに対して、上立つ穏やかな香りと、余韻のある後味が特徴です。瓶詰め後に一本一本加熱殺菌を行った後は、仕込み水としても使用している白神山系の湧き水で即座に冷却し酒質の劣化を最小限に抑制しております」

 裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(秋田県産)米麹(秋田県産米)、精米歩合 麹米50% 掛米55%、アルコール分15度、製造年月2020.6」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だが、蔵のホームページでは「秋田酒こまち 秋田県産」と開示している。

 使用米の「秋田酒こまち」は秋田県農業試験場が1992年、母「秋系酒251」(その母は「五百万石」)と父「秋系酒306」(その父は「華吹雪」)を交配。育成と選抜を繰り返し開発、2004年に品種登録された酒造好適米だ。

 この蔵の主銘柄は2020年現在では、「山本」になっているが、以前の主銘柄は「白瀑」だった。「白瀑」の由来について、ウェブサイト「『日本の名酒』自宅にいながら蔵元巡りの旅」は、「酒名は、蔵の近所の白瀑神社にある滝『白瀑』の名に由来しているそうです」と説明している。

酒蛙

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