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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4311】花の香 低精白 九拾(はなのか)【熊本県】

2020.8.25 22:36
熊本県玉名郡和水町 花の香酒造
熊本県玉名郡和水町 花の香酒造

【E居酒屋にて 全6回の⑤】

 コロナ禍による非常事態宣言が解除された当地では、居酒屋の客が徐々に戻りつつある。なじみのE居酒屋も同様だ。しかしやっぱり、コロナ前とは様子が違うようで、冷蔵庫の酒の消費速度がはかばかしくない、という。早く、コロナ前の活況に戻ってほしいものだ。E居酒屋は、酒の品揃えのセンスがなかなか良いのだから。

「愛宕の松」「星泉」「福祝」「旦」と飲み進め、5番目にいただいたのは、「花の香 低精白 九拾」だった。「花の香」は当連載でこれまで6種類を取り上げている。

 花の香酒造は1902(明治35)年創業だが、近年、その酒質の良さで急速に注目を集めている蔵だ。契機は、「獺祭」の旭酒造で研修を受け、酒質を飛躍的に向上させたこと。同蔵の躍進ぶりについて、日本酒専門のウェブサイト「SAKETIMES」は、以下のように書いている。

「蔵元や蔵人が『獺祭』の旭酒造で長期研修を受け、新たに全量純米酒の蔵としてスタートを切った熊本・花の香(はなのか)酒造。平成26BYにはわずか70石(一升瓶換算で7000本)の製造でしたが、翌年にはその6倍の480石、さらに次の年(平成28BY)には650石を造るまでに急成長しています」

 今回のお酒の特徴は、なんといっても、低精白米を使って醸したことだ。精米歩合90%。ごはんの精米歩合は約92%だから、ごはんと同程度の精米歩合で醸したお酒、ということになる。コメをあまり削らないで高品質の酒が造れるのなら、それに越したことはない。原料米を無駄なく使えるからだ。酒造コストの面でも好ましい。

 この低精白について、瓶のラベルは、以下のように説明している。蔵のコンセプトでもある。

「『和水町テロワール』それは土地の個性を大切にする事。そのはじまりとして花の香ブランドは2020年(令和1BY)より全量和水町産酒米のみで醸す酒造りへと進化させます。また100%ドメーヌ和水町を達成し、これから100%自然農法を目指していく中で『磨かない』という事で最高品質に挑戦していきます。この低精白は和水町の土地の個性を表現した一本です。  六代目 神田清隆」

 さて、いただいてみる。酸とバナナ香が印象的だ。旨みはそれほど出てこないので、その結果、シャープ感があり、すっきりした酒質に感じられる。余韻は苦み。非常に飲みやすい。淡麗系ではあるが、酸がしゃっきりしているので、水の如しではなく、やや力強さも。精米歩合90%のお酒とはおもえない、きれいなお酒だとおもった。

 ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合 麹山田錦50% 掛米山田錦90%、アルコール分16度、製造年月20.01」。

 瓶の肩ラベルに「低精白第二弾」と書かれているのが目を引く。これについて兵庫県明石市の酒販店「岩井寿商店」のサイトは、以下のように説明している。「第1弾低精白は1401号酵母で表現していましたが、第2弾低精白試験醸造は自社酵母で醸し、低精白の膨らみを酸味できっていく酒質に仕上げています」

 酒名および蔵名の「花の香」の由来について、蔵のホームページは「酒蔵周辺の木々から 梅の香りが蔵の中に漂うことから 『花の香』という名の清酒が生まれました」と説明している。

酒蛙

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