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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4305】みむろ杉 純米吟醸 おりがらみ 華きゅん 無濾過生酒(みむろすぎ)【奈良県】

2020.8.19 22:36
奈良県桜井市 今西酒造
奈良県桜井市 今西酒造

【B居酒屋にて 全6回の⑥完】

 1カ月に1回のペースで足を運んでいるB居酒屋。コロナ休業のあと営業を再開したが、なかなか客が戻らない様子。宴会ができるようになれば、利用する話はつけているのだが、それがいつになるのか。店もわたくしも、もどかしいおもいだ。

「黒龍」「一代弥山」「出羽桜」「白露垂珠」「光栄菊」に続いていただいたのは「みむろ杉 純米吟醸 おりがらみ 華きゅん 無濾過生酒」だった。今西酒造のお酒は飲む機会が比較的多く、当連載でこれまで、11種類を取り上げている。甘旨酸っぱい、力強い酒、というイメージが濃厚にある。今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 ブスっ! 栓を抜いたときの、ガス音がすごかった。お酒が元気に生きていた。最大の特長は、その香りだった。極めてインパクトのある香りだった。含み香の第一印象はセメダイン(酢酸エチル)。というか、さわやかなソーダアイスのイメージ。まさしく、ソーダアイスの「ガリガリ君」で、ジューシーな味わい。パイン香もしないわけではない。やさしくやわらかな口当たりで、甘旨みが立つが、奥に辛みがあり。飲んでいたら、次第に酸が強くなっていく。従来「みむろ杉」に感じられる濃醇さは影をひそめ、むしろ軽快感があるが、適度な厚みもある。

 瓶の裏ラベルは、「三輪を飲む」と題し、この酒を以下のように紹介している。

「酒の神が鎮まる地 奈良・三輪で360有余年醸す酒『みむろ杉』 仕込み水は蔵内井戸から湧き出る御神体『三輪山』の伏流水、米は『雄町』を100%使用。低温長期発酵させ、雄町が秘める上品な甘み・旨み、それらを収斂される酸に留意し、醸した純米吟醸酒のおりがらみです」

 蔵のホームページは「酒造り発祥の地『奈良・三輪』」と題し、以下の文を掲載している。

「酒造りは三輪の地が発祥だといわれています。酒造りを話す上で欠かせない場所がここ三輪にある大神神社です。 大神神社は日本最古の神社で、本殿を持たず、三輪山をご神体として祀っている神社です。三輪山は古来から『三諸山(みむろやま)』と呼ばれ、『うま酒みむろの山』と称されるは『みむろ(実醪)』すなわち『酒のもと』の意味で、 酒の神様としての信仰からの呼び名でりあります。そのため毎年11月14日は大神神社に全国中から蔵元・杜氏が集まり『醸造祈願祭』が行われます。境内では振舞酒も行われ、醸造家とともに多くの参拝客・観光客でにぎわい、また醸造祈願祭の後には全国の酒蔵へと杉玉が配られていきます」

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、原料米 雄町100%、精米歩合60%、アルコール分15度、製造年月2020.03」

 酒名「三諸杉」(みむろすぎ)の名の由来について、日本の名酒事典は「酒名は、三輪山の別称『三諸』と、酒の神を祀る大神(おおみわ)神社の御神木「杉」を合わせて命名」と説明している。

 瓶の封緘ラベルには「三輪山に降る清き雨 めぐりて湧き出す 三輪の酒」と書かれている。今西酒造のアイデンティティーなのだろう。

酒蛙

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