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日本酒津々浦々

日本全国津々浦々のさまざまな日本酒のコラムです。

【4303】白露垂珠 純米大吟醸 直汲み生原酒 雪女神(はくろすいしゅ)【山形県】

2020.8.18 21:08
山形県鶴岡市 竹の露
山形県鶴岡市 竹の露

【B居酒屋にて 全6回の④】

 1カ月に1回のペースで足を運んでいるB居酒屋。コロナ休業のあと営業を再開したが、なかなか客が戻らない様子。宴会ができるようになれば、利用する話はつけているのだが、それがいつになるのか。店もわたくしも、もどかしいおもいだ。

「黒龍」「一代弥山」「出羽桜」に続いていただいたのは「白露垂珠 純米大吟醸 直汲み生原酒 雪女神」だった。「白露垂珠」は、何種類も飲んでいる印象がある酒だが、調べて見たら、当連載で取り上げたのは6種類にとどまっている。やさしく、やわらかな酒質が印象的なので、多く飲んでいるようにおもえるのだろうか。

 今回の酒は口に含んだとき「甘い。非常に甘い」と瞬間的に感じた。いわゆる第一印象。酒の粘性高く、とろみある。上立ち香は穏やかな果実香で、例えると完熟した桃をおもわせる。これまで飲んできた「白露垂珠」同様、酸はあまり感じられず、余韻は辛み。全般的に、これまでと同じように、やわらかで、やさしい、きれいな口当たりのお酒だった。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(羽黒産)米糀(羽黒産米)、雪女神100%、精米歩合50%、アルコール分17.5度、月山深層水100%、アミノ酸度0.9、酸度1.2、日本酒度+1.5、製造年月20.1」。

 山形市の国井酒店のホームページによると「雪女神」は、山形県が、山形県初の大吟醸規格用酒造好適米の開発をめざし、「蔵の華」と「出羽の里」を交配、育成と選抜を繰り返し開発した酒造好適米。これで「山田錦」に頼らず、すべて山形県産の原材料で大吟醸を醸すことが可能になった、という。

 また、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構次世代作物開発研究センターによると、「雪女神」を開発したのは山形県農業総合研究センター水田農業試験場で、2001年に母「出羽の里」と父「蔵の華」を交配し育成を開始。選抜と育成を繰り返し品種を固定。2015年に命名、2017年に種苗法登録された、非常に新しい酒造好適米だ。

「雪女神」の特長について、出羽桜酒造のホームページは、以下のように説明している。

「千粒重が27g以上で大粒、玄米の粗タンパク質の含有率が7%以下、心白の発現率は70%以上、と優れた酒米適性を有しています。それらに加え、心白の形状が小さく、点状に出現するため、高精米でも米が砕けにくく、優れた大吟醸仕込みの適性を持っています。心白が大きすぎると、精米時に米が砕けやすく、高精米に向きません」

 酒質に似合わず、ド派手なラベル。このデザインは何を意味しているのだろうか。蔵のホームページは一切触れていない。困ったものだ。そこで、ネット情報をしらべてみたら、山形のおいしいもの通販サイト「まるごと山形」が、説明していたので、以下に転載する。あくまでも、「まるごと山形」の記述であることをお断わりしておきます。

「山形が誇る最新酒造好適米『雪女神』の先駆者、はくろすいしゅが今年は50%精米まで磨き上げ、輝く白米を見たときに、2019年酒田港に初めて寄港した豪華客船『スプレンディダ』がキラキラと青く輝く大海原に出航していく姿と重なりました。『スプレンディダ』はイタリア語で『輝く』『素晴らしく美しい』『素敵な』という意味。その言葉に合うようなシンプルですがカジュアル、世界で最も使われている酒器ワイングラスで飲む、そのテーブルにずっと置いていただけるようなお酒です」

 酒名「白露垂珠」は、李白の漢詩「金陵城西樓月下吟」の中の一節に由来する。瓶の裏ラベルは、その漢詩を掲載している。漢字だけだと読みにくいので、これも裏ラベルに掲載している日本語訳(文語訳)を以下の転載する。

金陵 夜 寂として 涼風おこり
独り高楼に上りて 呉越を望む
白雲 水に映じて 空白を揺すり
白露 珠を垂れて 秋月に滴る
月下に沈吟して 久しく帰らず
古来 相継ぐもの 眼中に稀なり
言い得たり 澄江浄きこと練り絹の如しと
人をして 長く謝玄暉を憶わしむ

「白露垂珠」は、「白露 珠を垂れて 秋月に滴る」(原文=白露垂珠滴秋月)の部分から。露は珠(たま)となり、秋月に照らされながらしたたる、という意味なのだろうか。

酒蛙

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